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「yukidoke」


 「yukidoke」はネット上でのお友達ntmymさんが主催する同人誌。昨年末から半年をかけて製作、6月ごろに完成した。
 実は私は買っていない(ntmymさん、すいません…)のだが、web版が公開されていて収録の全作品を読むことが出来る。manimaniさんが感想を書いていらしたこともあり、ひととおり読んでみたので私も軽く感想を書かせていただくことにした。
「yukidoke」同人の皆さん、全く外部からの感想も何かの参考にはなるかと思うので、笑ってお読みください。

 この同人誌には様々なタイプの作品が収められていて、イラスト、詩、シナリオ、小説、さらにはマンガまで多彩だ。私が苦手な詩はパスして、ほかの作品を読む。

 百代紅葉さんの「つるにょうぼう」はシナリオ。昔話の「つるのおんがえし」のオリジナルシナリオである。百代さんは子供向けの人形劇のためにこのシナリオを書かれたようだが、木下順二の「夕鶴」の与ひょうがあまりにも愚かなことが気になって、与ひょう(この作品での『若者』)が愚かではない場合、という独自の解釈を主眼にこのシナリオを書いている。結果非常にリアルでシンプル、現代的なシナリオになった。絶望的でないラストもいい。ただあとがきは長すぎかも。

 ねこきむちさんは小説を2編。「I'm alive」は青春小説。これは三人の若者が織り成す青春の物語…なのだが、残念ながら何が描きたいのかよく分からなかった。前半に主人公のなつみが、「性にこだわらないことにする」と宣言したあと性転換(?)の手術を受けるシーンがあるのだが、そもそもなぜこの物語に性転換が必要なのか私には理解できない。途中に挟まれるイラストもあまりにもナイーブで、不要だと思う。
 もう一本の「LOST HUMAN」でも男性でも女性でもない人間を主要な登場人物に据えている所から、この作者はジェンダーについてなにか強い問題意識を持っているようだ。しかし残念ながらそれが作品にうまく消化できていない。次回作ではもっと書きたいことを絞り込んで無駄なシーン(「I'm alive」のライヴのシーンや「LOST…」の残虐シーン)を捨てる勇気を持って欲しい。

 夏鳥さんの「アジュライト」は自殺した姉の真実を求める弟が主人公のレトロ・サスペンスふうの作品。これは弟が姉の友人・知人を訪ねていくという構成がシンプルで巧み。作中に時代背景についてはっきり書いてあるわけではないが、これだけレトロな雰囲気を醸し出したのは見事。登場人物のネーミングや舞台となる夜の街の情景などで70年代風の雰囲気をうまく描き出していて感心した。ラストのどんでん返しも効果的。
 ただし70年代には一般には使われていなかった「ストーカー」と言う単語を使ってしまったのは不注意だった。その一点が残念。

 梶谷友美さんは「花曇」「羽根」「千のナイフ」の3作。どれも悪夢を見るような美しい作品だが、とくに「花曇」は傑作。そのへんのプロ作家顔負けである。桜の木の精(?)とその木の根本に埋められた男の物語というアイディアもすごいし、そのもはやこの世のものではない二人の会話を中心に描きながらなんとも幽玄で耽美な世界が展開する。この作品集中白眉の傑作だ。

 主催者であるntmymさんはマンガ「サンショウウオ」が素晴らしい。彼女自身が見た夢を元に描かれた作品だそうだが、夢で見た物語を形にするこの不思議な感触が、彼女の分身ともいえる独特のキャラクターたちによって見事に表現されている。

 というわけでなかなか興味深かった。ntmymさんらしいクールさと参加された皆さんの情熱が絶妙にブレンドされた一冊になった。
 現在第2号「ツルバミ」を製作予定らしい。私は創作のほうは出来ないので参加はできませんが、ntmymさん、楽しみにしてます。…って買えよ、と言われそう(笑)。
.10 2008 本についての雑記 comment2 trackback0

comment

piaaさん、どうもありがとうございます♪
こんなに突っ込んだ感想をいただけるなんて、感激です!!

>実は私は買っていない

いいえ、いいえ! どうかお気になさらず! WEB版で見ていただいただけで十分ありがたいです♪ 本が手もとになくても楽しめるようにという目的が果たされて(だいたい今回のは私の手製本で、出来が壮絶……なんですよ;)、私は満足でございます~☆☆
次回もよろしくお願いしますね~♪ 買わなくてもいいですから楽しんでください!

にしても、やはり自分の作ったものを読んでもらえるというのは励みになりますね(^^)
嬉しいなあ! ほんと嬉しい!
次回のはもっと良くなります! どうぞご期待くださいませ~!!
2008.10.11 09:41 | URL | ntmym #- [edit]
実はこういう記事を書いたものかどうか、ずっと迷っていたんです。
記事にする以上、欠点があると私が思った作品なら、その私が思う欠点をはっきり書く必要があるでしょうから、それで書かれた方がショックを受けたりされたら、とか考えてしまって。
でも今回は一般の作家の短編集と同じようにはっきり思ったことを書かせていただきました。

ここに書いたのは私の勝手な感想ですが、それが皆さんの作品のレベルアップへのかすかなヒントにでもつながれば光栄に思います。
次回も、楽しみにしています。
2008.10.11 23:03 | URL | piaa #- [edit]

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