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カール・セーガン 百億の星と千億の生命


 カール・セーガンは、アメリカの天文学者、作家、SF作家。元コーネル大学教授、同大学惑星研究所所長。NASAにおける惑星探査の指導者。(以上ウィキペディアより)TVシリーズ「コスモス」や映画「コンタクト」などの監修者・原作者としても有名。この本は彼が亡くなる直前に書いた絶筆である。

 著者は科学啓蒙的な本をたくさん出している。この本も簡単に言ってしまえばそういう内容で、難しい事はほとんど書いてない。全体を三つの部分に分けていて、科学について軽い語り口で語る第1部から始まるが、巨大な数の数え方や、チェス盤に置いた麦の数から始まる指数関数についての話、そしてなぜ人々は野球やサッカーやフットボールに熱狂するのか、など様々な視点で科学を語って非常に興味深く、楽しい。

 第2部では環境問題について書かれていて、これにはかなりのページが割かれている。この本が書かれたのは12~3年前だが、その頃にはすでに科学者の間ではこれらの危機が深刻な問題である事が充分に認識されていたと言う事がよくわかる。ここに書かれていることは、まさに今、世間で言われている地球温暖化の危機そのもので、さらにこれらの危機を乗り越えるための努力が、現状を変えると利益が目減りする人々によって妨害されるであろう事や、はてはこの危機をネタに儲けようとする者が出現する事までも予言してしまう。
前者は中国やインドや、そしてアメリカという国々であり、石油・ガスや自動車業界だ。二酸化炭素の排出量を減らすと言う事はとりもなおさず彼らの利益や成長を妨げることだからだ。
後者は「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」などというデタラメな本を書いて読者に気球温暖化などはたいした問題ではないと思わせて印税を稼ぐ武田邦彦のような人間のことだ。彼のような人物が登場する事まで予言してしまうカール・セーガンの慧眼に恐れ入ってしまう。
 もしこの「環境問題はなぜ…」を読んで、地球温暖化はたいした問題ではないと思っている人がいたら、この本のデタラメぶりを指摘したサイトを参照のこと。この著者をゲストに呼んで宣伝させる「たかじんのそこまで言って委員会」というクソ番組(失礼)も許せない。この番組は主張が圧倒的に右翼的で、一見ディスカッション的な形を取りながら反論を大声で抑えつけたりする最低な番組で、もともと私は大嫌いなのだが。

 ちょっと話が横にそれたが、カール・セーガンはこれらの危機に対して宗教と科学の共闘を呼びかけるなど、視点が広く、感心する。
 ところでこの夏の石油高騰は、生活を直撃した。私もガソリン代のあまりの高さに悲鳴を上げているが、環境問題的にはこれはいい事なのかもしれない。生活に直接影響があるという事だけが、人々の節約意識に火をつけるのだ。

 第3部では、さらに視点が広がり、妊娠中絶の是非を科学的に考察してみたり、軍縮を訴えたりと幅広いが、最終章では自身の健康について述べている。執筆時にはすでに相当容態が悪かったと思われるのだが、科学者らしい潔さで病気と立ち向かうさまが感動的だ。
 科学エッセイとして見たとき、全体にはやや話題が広範囲にわたりすぎて散漫な印象もある。地球温暖化については今となっては何度も聞いたような内容であるとも言える。科学に全くッ興味のない人には非常にわかりやすい本だとは思うが、ある程度科学の知識のある人には物足りないだろう。そういう読者にはこの本はどちらかというと科学本としてではなく、人間としてのカール・セーガンを知るための本であると位置づけてよいのではないかと思う。

 カール・セーガンは亡くなったが、彼の作ったレコードはボイジャー1号と2号に搭載されて今も宇宙の彼方を永遠の彼方に向けて飛んでいる。彼のレコードは10億年(!)後でも再生可能なように作ってあるらしい。私は10億年後に人類の文明が続いている可能性は限りなく低いと思うが、彼の肉体が、さらには彼を生んだ文明が滅んでも、科学は彼の仕事に永遠に等しい命を与えたのだ。
.09 2008 その他の本・非文学 comment0 trackback0

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