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手塚治虫 ブッダ



 右の「Now Reading」の欄にトゥーサンの「浴室」を一昨日くらいから挙げているが、実はまだ一行も読んでいない。こっちを読んでいたのだ。これは手塚治虫が釈迦の生涯を描いたコミック作品。わが家にあるのは昭和時代の終わりに潮出版という会社から発売された全8巻のハードカヴァーだ。

 先日読んだ「聖☆おにいさん」が我が家では大好評。特にMINMINはえらくお気に召したようだ。彼女はカトリック系の幼稚園に通っていたころ、普通クリスチャンの家の子しか行かない、キリストについて教えてくれる特別クラスに通ったのでキリスト教についてはけっこう詳しいのだが、いかんせん仏教の知識に乏しい。いろいろ質問されてはたまらんのと、「聖☆おにいさん」に登場するブッダがこの手塚の「ブッダ」を愛読していた事もあって、読んでみれば、と本棚の奥から取り出してみたのだが、MINMINばかりでなく家族全員で読みふけってしまった。

 いまさら私がこの名作についてぐだぐだ述べても詮無いことだが、手塚の漫画というのは、独得のものだ。ブツクギュギュや「おむかえでごんす」など独自の漫画的表現が頻発する。それはコメディ色の強い作品でも、「火の鳥」や「アトム」のような作品でも、この作品のような伝記的なものでも全く変わらない。この作品でも他の登場人物を手当てしようとする人物がいると、ひとコマだけブラックジャックになったりする。だからシリアスでストイックなブッダの人生を描いても堅苦しくならず楽しく読む事ができる。こんな作家は全く他にはいない。
 この「ブッダ」では釈迦という伝説の人物を描きながら、重要な登場人物として架空の人物である奴隷のタッタなどを配したり、さらには仏教の経典に登場する人物、アッサジ、アナンダ、ダイバダッタらを経典とは全く違う人物像に置き換えて物語のダイナミズムをうまくコントロールしてみせる。
 未来が見通せる超能力者として描かれたアッサジは「三ッ目がとおる」の主人公と同じキャラになっていていつも鼻水を垂れている。もっと大きな改変はアナンダで、犯罪者で250人もの人を殺した殺人鬼という設定で、もちろん経典とは大きく違うのだが、この極悪人がブッダと出会うことで徐々に改心していくあたりがなんとも説得力がある。
 さらに当時の大国コーサラ国のルリ王子やマカダ国の王ビンビサーラ王など時の権力者たちも苦悩し、彼らの苦悩がブッダのまわりへ収束していく構成は見事なものだ。それを泣かせたり笑わせたりの振幅の大きな展開のなかで読ませ、一巻ごとに感動を覚えさせるあたりは本当に天才的。

 だが、そういう巧みさすら全体から見れば瑣末な事で、ブッダの生涯という物語自体が強力な求心力を持っているのだ。欧米人から見ると我々日本人は仏教徒ということになっているが、実はほとんど日本人は仏教について何も知らない。キリストの生涯については結構知っていても、釈迦の生涯についてなどほとんど知らないのではないだろうか。せめてこのマンガでも読んで最低限の知識を持っておこう。現在でも全12巻の文庫版などで発売されている。それでさらに釈迦が気になったら岩波文庫あたりのもっとコアな本を読んでみると言うのはどうだろう。
.14 2008 コミック comment4 trackback0

comment

文庫版欲しいなとつい先日書店で眺めていた矢先にこの記事では、これは買ってしまいそうじゃないですか。。汗
昔読んだんですけどもはやほとんど思い出せず。『火の鳥』はだいたい思い出せるのに。。。悲
2008.07.15 02:53 | URL | manimani #- [edit]
これは買っといて損はありません。ブッダの生涯と教えをすごくわかりやすく楽しくドラマティックに描いた名作です。子供達にもぜひ読ませてあげましょう。
私は逆に「火の鳥」はあんまり読んでないんですよ。「アトム」や「リボンの騎士」とか「アドルフに告ぐ」とか持っていました。
2008.07.15 22:52 | URL | piaa #- [edit]
高校生の頃授業中にこっそり『アドルフに告ぐ』を読んでいて、
先生に見つかったのですが、「こら、漫画読んじゃ駄目。でも手塚治虫だからな~」と放免されました。2回も。
他の漫画家じゃこうはいかないんでしょうねえ。多分。
『ブッダ』面白そうですね。財布と相談します。
2008.07.17 23:43 | URL | イーゲル #- [edit]
そりゃいい先生ですねえ~

「ブッダ」ぜひ読んでください。
我が家は今、仏教ブームです。
2008.07.18 00:23 | URL | piaa #- [edit]

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