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畠中恵 しゃばけ


 TVドラマにもなった時代物ファンタジー。かなり評判の高い作品なので期待して手にとった。
 ちなみにタイトルの「しゃばけ」とは漢字で書くと「娑婆気」。「俗世間における名誉・利得などのさまざまな欲望に捉われる心」のことなのだそうだ。

 廻船問屋・薬種問屋の「長崎屋」の嫡男一太郎は生まれつき病弱だが、いつも彼の周りには妖(あやかし)がいる。手代の佐助・仁吉も実は妖で、一太郎は彼らに守られている。
 そんな一太郎が謎の連続殺人事件に遭遇、命を狙われる破目になってしまう。というわけでこの作品、妖怪が出てくる時代劇推理ファンタジー小説というかなり盛りだくさんに凝った作品。

 読みやすいし、楽しいし、人気が出るのも当然だ。江戸の風物とか、妖たちについてなどかなり詳しく調べて書いたのだろうけど、小難しい記述はなく、こういう作品にありがちな難渋さはない。ただし文章は思ったより硬く、装丁の絵柄や、以前落語の本を読んでいたこともあってもっと軽妙な語り口を予想していたので少し肩透かしを食った感がある。硬い語り口は明らかにこの作品の弱点で、落語のような軽妙なテンポの文章だったら完璧だった。

 …で、とても面白く、あっという間に読んでしまったのだが、後になってちょっと気になったのは「これってラノベと何が違うの?」ということ。ラノベにあってこの本にないのは「萌え」だけではないのか。てか一太郎を守る妖をひとり美少女にして、語り口をもっと軽い感じにしたら、もうこれは完全にラノベではないか。
 いやラノベがいかんと言っているわけではない。私はその作品が面白かったらそれでいいと思う。
 ただ例えば「ハルヒ」をラノベだとバカにしながら、この作品を高く評価しているような人も多いのではないだろうか。そういう人はこの作品がもしスニーカー文庫から出ていたら鼻にもかけないのだろうか。

 というわけで、ラノベと通常小説の境界についても考えさせられた一冊。逆に言えば、ラノベしか読んだことのない若者にもお奨め。
.28 2008 日本文学 comment2 trackback0

comment

「しゃばけ」シリーズは安定感が魅力なんでしょうね。
どぎつい事件がほとんど起きないし、いわゆる「江戸の人情もの」よりはカラッとしていて、老若男女だれでも安心して読めるところが受けているんだと思います。

ウチでは80を過ぎた両親が、なぜだかすごくこのシリーズを気に入って読んでます。 特に父は普段こういう荒唐無稽な話をバカにしているのに、なぜそこまで気に入ったのか…謎です。

ものすごくあっさりしか書いてないのに、江戸の町並みや空気が伝わってくる文章が、ワタシは結構好きです。 たとえば飯嶋和一の「始祖鳥記」は評判がとてもいい本ですけど、「知ってるからってそこまで詳しく書かなくても」と感じてしまうもので。

ところで、サマセット・モーム「月と六ペンス」は新訳が出たんですね。 学生時代に読んだ文庫本をいまだに持っているんですが、新訳を読むべきかどうか思案中。
piaaさんの感想が楽しみです。
2008.07.01 22:23 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
そうですね、「知ってるからってそこまで詳しく書かなくても」って作品は多いですよね。何を書きたいのかわからないくらい説明的な本ってありますよね。
この作品はそういう考証面ではちゃんと考えてありながらあっさり書いてある印象で読みやすいです。でも文章はやっぱりなんだか硬い感じが気になりました。

「月と六ペンス」は、というかモームという作家は、全く読んだ事がなくて、今はじめて読んでちょっとショックを受けています。これはいろんな意味ですごい作品ですね。レヴューは近日中に。
2008.07.02 00:59 | URL | piaa #- [edit]

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