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神童


2006年 日本
監督:萩生田宏治
出演:成海璃子 松山ケンイチ

手塚治虫文化賞を受賞したさそうあきらの同名マンガが原作の映画。
WOWOWで放送していたので観た。
ちなみに原作は全く読んでいない。

 音大を目指して浪人中のワオと、13歳の天才ピアニスト・成瀬うたが偶然に出会う。レッスンをさぼってばかりのうただったが、愚直なまでにピアノに打ち込むワオを気に入り、彼の実家である青果店に入り浸るようになる。ワオは音大に合格するが音大のレベルの高さに悩む。一方うたは世界的ピアニスト、リヒテンシュタインに気に入られ、思いがけない大役を任せられることになる。

 成海璃子という人はいま売り出し中の美少女女優さんで、この映画の撮影時は役と同じ13歳だったはずだが、堂々とした見事な演技を見せる。あまり好きな女優さんではないが、この映画は彼女を観るだけでも価値があると思う。モーツアルトのピアノ協奏曲ニ短調K.466を弾くピアノの演奏シーンも指使いは正確なようだ。(タッチが弱すぎるけど)。
 相手役の松山ケンイチは「デスノート」のL役が印象深いが、この作品ではLとは正反対のとぼけた気の弱い兄ちゃんの役で好演。

 ネットでこの映画の評価をみると、この主役の二人はいいのだが映画としては未消化の点が多くてなんだかよくわからないという声が多い。その他にもいくつか私が気になった点を挙げると、うたが時々耳鳴りがして気にしている耳の疾患については話が全く進まない。最後の方でうたの父が同じような病気(難聴)を苦にして自殺したのではないかと仄めかされるので、その伏線と言えなくもない。うたが父の事を「音楽でいたかったんだよ」と言い、ラスト近くで「わたしは音楽だから」と言うので、じゃあこのまま難聴が進んだらうたはどうするんだろうと思ったりさせる。
 それに貫地谷しほりがワオの音大での友人として登場してきて、おお、物語はワオとうたと彼女の微妙な三角関係に進むのか、と思いきやこれも大して発展せず。
 それにしても歌手役の貫地谷しほりのクチパクがあまりにも合っていなくて笑えた。もうちょっとどうにか出来たのでは?
 逆にうまく描かれていたのは中学生としてのうたサイドで、「好きな人いるの?」と訊かれたうたが「いる」と答えてしまってからワオのことを好きな事に気づくのをさりげなく描いた所とか、いつもうたにひどい目にあいながら、うたのことが心配で家出に付き合う同級生のチビ男子とかの描き方はうまい。

ネットで散々に叩かれているラストシーンは、うたがいつか父と行った「ピアノの墓場」を訪れ、そこいつの間にかやってきたワオと一緒にピアノを弾く、というもの。確かに一見意味不明。普通に考えるとなぜあそこにワオが現れるのか理解できない。でもあれはうたの心象風景なのであって現実のものではないのだ。うたは優しいワオに父の面影を投影していて、ワオと父がうたの中で重なる所でこの映画は終わるわけで、それは大げさに言えば父の持つ死のイメージからワオの持つ生のイメージへの転換がうたの中で起こった事を示しているのだ。それが教授が言う「音楽とは生きる事」という言葉と響いて、示唆に富むいいラストだと考えたのだがどうだろうか。

 しかし劇中で時々響く父の愛奏曲だったというメロディがあまりにも甘ったるく、なんでクラシックの曲を使わずにこんな変な曲を使うのかな、と思ったらエンドロールでこのメロディを変な女の声で歌いだしたのには唖然。最悪だ。結局CD売りたいだけか。「のだめ」の原作者がTVドラマ化するに当たり主題歌を拒否したのは有名な話。そんなクラシックに対する誇りや見識は、この製作者にはなかったのね。
 せっかく劇中の、BGMを極力排した音の使い方をほめようと思っていたのに、このつまらない歌で評価が大幅ダウン。やっぱり音や音楽への感覚は日本映画、良くないなあ。感覚というより「お金」とか「しがらみ」の問題なのかもしれないけど。
.17 2008 映画(日本) comment0 trackback0

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