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ジャンニ・ロダーリ 二度生きたランベルト


 イタリアの作家ジャンニ・ロダーリは、「チポリーノの冒険」などの児童文学の作家として有名。このブログをいつもご覧の皆様なら「猫とともに去りぬ」は記憶に新しいところだ。
 この「二度生きたランベルト」は200ページほどの小説で、一見いかにも児童文学っぽい作品。

 イタリア北部、オルタ湖の中にサン・ジュリオ島という島がある。ここに住む男爵ランベルトは御歳93歳。世界中に24の銀行を持つ大富豪だが、歳には勝てず24の病気を持っている。甥のオッタヴィオはそんなランベルト男爵が遺産を自分に残してくれる事を期待しているが、なぜかランベルト男爵は最近やたらと元気である。オッタヴィオはなんとかランベルトを亡き者にしようとたくらむが、そんなある日ランベルトの屋敷に24人の賊が侵入、島ごと占拠されてしまう。億万長者のランベルトを人質に身代金を要求する賊だったが…

 といった感じでいかにもイタリアの児童文学ぽい雰囲気で物語が進んでいく。
原題は「C'era Due Volte Il Barone Lamberto」。昔話の冒頭の「むかしむかし」を英語で言った「Once Open a time」に当たるイタリア語は「C'era Una Volta」だが、という事は「C'era Due Volte」は「Twice upon a Time」にあたる。このタイトルがすでに言葉遊びなのだが、まあ作中ランベルトは二度生きる事になるのでそれに引っ掛けた粋なタイトルなのだ。
 生きるという事は他者に認識されるという事である。だから人は死んだあともその人のことを覚えていて話題にしてくれる人がいる間は完全に死んでいないというような事を言われる事があるが、それを逆手にとってランベルトは名前を呼ばれ続ける事で死を遠ざけ、しまいにはもう一度生きなおす事になる。

 この作家は、「ファンタジーの文法」を読むとよくわかるのだが、作品を書く場合に、簡単に言ってしまえば「作家のエゴを通して作品を書くよりも、読者の声を反映させたほうが面白い作品になる」というような独特の方法論を持っていて、実はこの作品にもその考え方が用いられ、読者の意見を反映しながら書かれている。どんな風に作品を練ったのかは巻末にまとめられた「覚書」で読むことが出来る。
 ロダーリは1980年に亡くなった。訳者の方も書いているが、きっと存命ならネットを使ってインタラクティブな物語作りを実践した事だろう。この作品を読んでもそういうアイディアの萌芽が見える。

 インタラクティブな物語作りといえば、私は高校のときに友人と3人でリレー小説を書いたことがある。友人の一人は職業的な物書きになった。推理小説だったので物語りはめちゃくちゃだったが、そのスリリングな楽しさを今でも覚えている。そういえばそういう試みってまだネットでも見かけない。くだらないケータイ小説よりも面白いものができるかもしれないと思うんだけど。
.02 2008 イタリア文学 comment0 trackback0

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