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村上龍 69


 私が住んでいるのが長崎県佐世保市だが、40年前の佐世保、特に県立佐世保北高等学校を舞台にした、佐世保出身の作家村上龍が書いた青春小説である。
 いつか読もうと思っていたのだが、RINRINがその北高に進学することになったのを機に読んでみた。

 村上龍は1952年生まれ。私よりだいたい10歳年上だ。これは村上が北高に在学中の1969年に、彼が実際に起こした事件「佐世保北高バリケード封鎖事件」を中心にした作品である。
 1969年と言えば、まだ全共闘時代が終わらないころである。前年1968年1月17日(私の誕生日だ!)佐世保では原子力空母エンタープライズの寄港を巡ってデモ隊と警官隊の大規模な激突が発生。そんな時代の空気そのままに、高校のなかにも学生運動を支持するグループがあったりして69年の高校生達はなかなか熱い。そんな中、主人公で作者の分身・ケンは、女の子にモテたい一心で学生運動まがいの事に手を出すことになる。そうこうするうちやがて学校一の美女・和子と気持ちが通い始めるが…

 私よりもたった10歳上なだけのこの世代の高校時代が、我々の高校時代とすごく違うような気もするし、大して違わないような気もするところが面白い。我々の時代には学生運動なんてすでに遠い過去の時代の話だったし、一方ではそこに描かれた佐世保の風物が、私が鮮明に記憶している佐世保の70年代とオーバーラップする。そして高校生男子の、昔も今も変わらぬ行動原理…すなわち「モテたい一心」という恥ずかしくも厄介なヤツ…によって物語がどんどん推し進められるパワーはもはや普遍的なものである。モテたい一心で何かを一生懸命にやった、というのはかつて男子高校生だった人ならだれでも身に覚えがあるだろう。
 そういう恥ずかしくも楽しい青春時代をパワフルに描き出した快作。青春小説にありがちなセンチメンタリズムはさほど感じさせない、爽快な69年の青春グラフィティになっている。
 一方で、教師達や、つまらない学生達のことは相当辛辣な書き方をしていて、この本に書かれた同級生たちや教師達には激しく反発を受けたのではないかとも思われる。在学当時から相当の問題児だったそうだが、実際北高は最近まで村上氏を嫌っていたようである。

 佐世保の高校事情についてはじめのほうに書かれているのだが、ここが地元人にはたまらない。
 北高、南高は出てくるが西高は出てこない。これは当時まだ西高ができたばかりだったからだろうか。美女率が高いと書かれているカトリック系の「純和女子学園」は、私の妻まゆまゆの出身校、聖和女子学院であろう。え、うちのヨメさんが美女かって?当たり前じゃないですか(汗)。バカばっかりと書かれている「私立旭高」は私立S高校であろう。いやあバカばっかりはあんまりでしょう。うちの兄の出身校だし。ちなみに私の出身校については、「ここの女子はブスばかり」と書いてある。ふふん。

 というわけで、皆さんもご自分の故郷や住んでいる町を舞台にした作品を読まれることがあるとは思う。でもこんなに歯に衣着せずに書いちゃったご当地作品は他にはないかもしれない、などと思いながら大変楽しく読んだ一冊であった。
.30 2008 日本文学 comment3 trackback0

comment

RINRINちゃん、入学おめでとうございます!

「全共闘時代の小説なんて」という先入観があったんですが、
読んでみたら意外なほど違和感がなくてワタシも楽しめました。
とにかく”恥ずかしい時代”全開ですからね…ふふふ。

地元を舞台にした小説って、ストーリー以外の楽しみがありますよね。
「有頂天家族」「鴨川ホルモー」を読もうかどうしようか、迷い中です。
2008.04.01 21:20 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
vogelさん、ありがとうございます。
4月になったのでRINRINも事実上高校生になりました。
彼女、さっそくの宿題の山で頭を抱えています。

ご当地ものの小説ってまた格別な面白さがありますよね。
佐世保関連では、佐藤正午(やはり北高卒)に佐世保が舞台の小説があるようです。今度機会があったら読んでみようかな。
2008.04.02 00:48 | URL | piaa #- [edit]
読んでて、うらやましくてnamida
 私は『20清喜少年byウラサワ』世代だけど
高校は、6~8年前にバリ封あった北海道の港町にありました。

うん、うん、わかる~

ケンの父ちゃんみたいな父親だったし
サウスバウンドby国家公務員系みたいな父
おもしろかったな~♪

関東で消費者行政にかかわってます
今も生きてます
2008.11.20 12:43 | URL | 悲しい魔女 #OtYh42bo [edit]

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