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エイモス・チュツオーラ 甲羅男にカブト虫女


 現在私の中では現在最注目作家の、ナイジェリアの作家チュツオーラ。これは1990年発表の、12作の短編からなる短編集である。

 短編集と言ったものの、以前読んだ長編は、「ブッシュ・オブ・ゴースツ」にしろ「やし酒飲み」にしろ、いずれもそれぞれが大して関連のない短いエピソードを繋いで作ってあった。この作家のそういう作風を考えると、基本短編的な発想をする作家なのだと考えていいのだろう。だから短編集を読んでも全く違和感がない。
 前に読んだ2作に比べると、ジュジュや「ブッシュ・オブ・ゴースツ」における「幽鬼」といったようなスピリチュアルな、あるいは呪術的な部分はやや後退して、寓話的ではあるが多少現実的な物語が多い。

 はじめの2作がおなじ登場人物が出てくるので連作短編かと思いきや、最後の作品を除き、後の作品はすべて全く別な物語である。
 その中には全くアンハッピーエンドの物語がいくつかあって、命がけで助けた友人に裏切られて命を落としてしまう男の物語「裏切りアデ」などは、その殺され方(殺された後、魔物に生き返させられたあと、魔物に食われてしまう)も含めてかなり衝撃的。
 「あさって忘るなかれ」という作品では頭の弱い兄弟が、いつも父に教訓として「あさって忘るなかれ」と言われていたのだが、この言葉の意味を理解せずにいるうち両親が他界、「あさって忘るなかれ」を生き別れの兄の名前「アサッテ・ワスナカレ」だと思い込んで悪い男に騙されて全財産を奪われ、奴隷として売られてしまうという、これまた衝撃的な物語。後の作品はだいたいハッピーエンドなのだが、こういう恐ろしい作品が間に挟まると、読んでいていやがうえにも緊張感が高まる。

 「子ガモになった兄弟と、わからずやの妹」では兄弟の妹ブコラが好奇心から禁じられた穴の中を覗いた所、兄二人が魔法の力で子ガモにされてしまう。兄たちを人間に戻したいのなら7年間唖のふりをしろ、と魔法使いに命じられた妹は一切言葉を話さなくなる。やがて王子様に見初められて結婚したブコラだったが、王子様の側近達は唖のブコラの産んだ子供が王になるなど許せないと言って、子供が産まれるとブコラの目の前で赤ん坊を殺してしまうのだ。

 と、そういう感じで、残酷童話的な世界がアフリカを舞台に繰り広げられる。アフリカの民話に興味のある方などにはお奨め。チュツオーラの独特の世界を気軽に楽しめるという意味でこの作家の入門用にも最適な作品かもしれない。ただし現在は廃刊のようだ。

 ところで「畑長者と奇妙な男」という作品では、千人分の働きをする男と契約した長者の話で、彼に頼むと一晩で広大な畑を耕してしまうのだが、彼の正体は…?という物語。つい最近どこかでこれとほとんど同じ話を読んだ気がするのだが…。
.05 2008 アジア・アフリカ文学 comment0 trackback0

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