スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

セルゲイ・スニェーゴフ 逆時間の環


 昨年秋から読んでいる、ソビエトの作家スニェーゴフによるスペースオペラ三部作「神のごとき人々」の、「銀河の破壊者」「ペルセウス座侵攻」に続く第3作にして完結編。

 前の2作が結構よくできていたのだが、前作「ペルセウス座侵攻」を読み終えたとき、「破壊者」との戦い、決着がついちゃったけど、次は何が…?と疑問に思った。今回は、「銀河人」や「破壊者」を凌ぐ超知性の持ち主で、前作の最後の方に名前だけ出てきたラミール人がエリらの前に立ちはだかる。
 物語は前作から約20年後。銀河中心部を調査していた艦隊が何者かの攻撃を受けて全滅。アンドレイの息子オリョークを司令官に擁き、エリらは4隻からなる艦隊を編成しラミール人がいるとされる銀河中心部へ向かう。途中遭難していたアラネア人のオアンを救助、アラネア人たちの苦境を聞いて彼らを救いにアラネア星へ向かうが、そこには罠が…

 いやー、正直言って、3作の中で一番読みにくくて面白くなかった。前の2作は、美しかったりドラマティックだったり楽しく読めたのだか、今度のはかなり理屈っぽいし、イリーナという少女が出てくるのだが、これが全くくだらない女で、人類の進歩と平和のために全力を尽くして努力しなくてはならない偉大なる共産主義を全く理解していないジコチュー女。偉大な冒険家として尊敬を集めているはずのエリは結局最後まで彼女に嫌われっぱなしと言うなさけない展開になってしまう。まあエリが嫌われているのは置いておいても、共産主義国家でなくても普通だったらイリーナみたいな情緒不安な女の子を探検隊に加えないだろう。
 それに加えて物語がほとんど宇宙船の中で展開し、あーだこーだ言っているばかりなので、読んでいるうちレムの「大失敗」を連想してしまった。だが「大失敗」よりも内容が圧倒的に空疎なので読むのがツライのだ。
 最後の方で、ラミール人と人類の差があまりにも大きい事を喩えて、彼らが森を切り開く人間たちだとしたら、我々は蟻なのではないか、という仮説がでてくる。ここはちょっと、ロシア・東欧SFらしくペシミスティック。それでもエリは、蟻ではなくて、せめて兎であろうと言い、彼らへ人類が何を求めているかのメッセージを託すのであった。

 スペースオペラって、本当に久しぶりに読んだのだが、ホントにくだらない。非科学的だし、ご都合主義。なぜか人類はよその星の人々よりも優れている。それは「スタートレック」でも原則変わらない。スペースオペラである限り絶対のお約束なのだろうか。それでも読んでしまうのは冒険小説として面白ければこそだ。冒険小説というと、先日読んだスティーブンスンの「宝島」が思い浮かぶが、あの作品の半分でも面白ければ、まあ読んでもいいかもしれない。しかし残念ながらこの作品は「宝島」の20%くらいしか面白くなかった。

 もしこれから読もうという人には「銀河の破壊者」と「ペルセウス座侵攻」の2冊で充分ですよ、と言っておきたい。この2作はかなりいい出来だっただけに、2作で終わった方がよかったと思う。
.24 2008 SF comment0 trackback0

comment

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://piaa0117.blog6.fc2.com/tb.php/724-af7981db

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2008年01月
  ├ カテゴリー
  |  └ SF
  └ セルゲイ・スニェーゴフ 逆時間の環

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。