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ダシール・ハメット 赤い収穫


 ハメットの作品に出てくる探偵としては、「マルタの鷹」のサム・スペードが有名だが、この作品にはコンチネンタル・オプと呼ばれる無名の探偵が登場する。
 彼は小太りの40歳くらいの中年男で、V字型の悪魔、サム・スペードとは全く違う風体だ。

 この探偵は、コンチネンタル探偵社から派遣されてモンタナの近くのパーソンヴィルという町にやってくる。ところが到着したその日に依頼者ドナルドが殺害されてしまう。ドナルドの父エリヒューはこの町の実力者である。だが町はいくつかのギャング団に事実上仕切られているのだった。エリヒューに町の掃除を依頼された探偵は、ギャング達を共倒れさせようと策略を練る。

 とにかく、人が大勢死ぬ小説だ。銃弾が飛び交う西部劇まがいのアクションシーン満載のこの作品、最終的には20人くらい、いやもっと死んだかな。
 汚れきった町を掃除すべく、幾重にも罠をかけてギャング達や腐敗しきった警察署長をお互いに対立に持ち込み敵対させていく様は痛快だが、かなり無理もあるような気もしないではない。

 これは推理小説とかハードボイルド小説とかではなく、アクション小説と言うべきだろう。もうこの作品あたりになると自省的な部分はほとんどない。文体もそうだが、内容も乾ききっている。どちらかというとウェットなチャンドラーとは全く別物だ。でありながら、発端のドナルド殺し、さらにティム殺しなどの解決のためにちゃんと探偵小説らしい推理が用いられ、さらにそれが後の事件へつながり、あるいは誰かを騙すための罠として使われたりと、物語全体へと繋がっていく仕掛けの面白さはさすが。

 黒澤明の映画「用心棒」がこの作品の翻案であるというのは有名。それがさらにクリント・イーストウッド主演の「荒野の用心棒」やブルース・ウィルス主演「ラストマン・スタンディング」としてリメイクされているわけで、それだけ映画化にもってこいの題材というわけだろうが、不思議とこの作品をそのまま映画化したものはないようだ。

 私が読んだ早川文庫版は小鷹信光訳。創元推理文庫では田中西二郎訳で「血の収穫」のタイトルで出ていて、こちらのタイトルの方が有名なようだ。
 原題は「Red Harvest」なので「赤い収穫」の方が正しいと思われる。
.02 2007 ミステリ comment0 trackback0

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