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P.K.ディック マイノリティ・リポート


 フィリップ・K・ディックの、トム・クルーズ主演で映画化された表題作や、シュワルツェネッガー主演で「トータル・リコール」として映画化された「追憶売ります」などを含む短編集。

 ディックの作品は他のアメリカのSF作家と何かが違う。どことなくペシミスティックで、ディストピア的で、それでいて薄ら明るい世界を描き出す。宇宙ものなどにはほとんど興味がなく、タイムパラドックスや、記憶や認識についてのテーマの作品が多いと思う。

 ここに収められた作品もそのどちらかに分類される。表題作「マイノリティ・リポート」は、予知能力者によって予測された殺人事件の犯人とされた主人公の運命を描くのだが、未来予知というギミックを用いた一種のタイムパラドックスものである。結局は不確実な予知の欠落した部分に活路を見出すことになるわけだが、なかなかスリリングな展開は確かに映画向きだ。

 「水蜘蛛計画」は未来人たちが問題解決のためタイムトリップして過去の予知能力者に会いに来るが、彼らの言う予知能力者は20世紀のSF作家ポール・アンダースンだった、というケッサクなお話。アンダースンは未来に連れて来られ、そこでレムの「星からの帰還」の主人公さながらの冒険を余儀なくされる。

 「火星潜入」は珍しい宇宙もの。地球と火星の間に戦争が起きる直前に火星から脱出したテロリストたち。宇宙船で彼らと出合ったサッチャーだったが…という物語。充分面白いのだが、途中で結末は想像がつく。

 そして認識の問題を扱った「追憶売ります」。シュワちゃんの「トータル・リコール」の原作だ。火星に行きたくてたまらないある男が、記憶を操作して火星に行ったつもりにさせてくれる会社のサービスを受けるが、そこで意外な事実が判明して…という物語。ここで書かれているのは映画の前半までのストーリーである。つまり映画の後半はオリジナルのストーリーだということだが、そのかわりこの小説には映画にはないなかなかひねりの効いた別の結末が用意されている。

 と、いうわけで、さすがディック、非常にそつなく面白い作品集だった。長編もぼつぼつ読もうと思う。
.28 2007 SF comment0 trackback0

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