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不思議惑星キン・ザ・ザ


Кин-дза-дза! 1983年 ソヴィエト連邦
出演:スタニスラフ・リュブシン、エヴゲーニー・レオノフ
監督:ゲオルギー・ダネリヤ

 今はなきソヴィエト連邦にて製作されたSF映画の傑作。
現在でもカルト的な人気を誇っている伝説的な映画である。
以前にも一度観ていたのだが、今回はDVDを借りてきて改めて観た。

 宇宙人を名乗る男が持っていた空間転移装置によって、砂漠の惑星へとワープさせられてしまった建築技師と学生。地球に帰ろうと悪戦苦闘するが…大雑把に言うと、そういう物語なのだが、ここで取り上げる映画は大抵そうだが、ストーリーでは魅力が伝わらないタイプの映画である。

 この星にはわけの分からない身分制度があり、パッツ人はチャトル人に対して敬意を払わねばならず、出会うと「クー」という独特の滑稽な挨拶をしなければならない。しかしパッツ人とチャトル人の区別は機械で判定するだけである。さらにエツィロップと呼ばれる権力者がいて、彼らに出会うと正しい「クー」をした上で賄賂を渡さないと気まぐれに投獄されてしまったりする。
 ここまで読めば、このブログの読者ならははーんと思うであろうが、このあたりの差別のシステムはソヴィエト連邦の閉塞した社会のカリカチュアそのものである。エツィロップはKGBみたいなものであり、摘発されるとシベリア送りになるが、多少のことなら賄賂で見逃してもらえるのだ。そう思って観ると、この一見のほほんとしたナンセンスSF映画と思われがちなこの映画が、実は体制批判を盛り込んだ社会派SFであったことに気づくと思う。もっとも製作者はそんなこと全く考えてなかったかもしれない。身近にあったいやなことをヒントに映画を作ったらこんな風になったのかもしれない。
 どっちにしてもソ連という特殊な国家で作られたからこそこんなものが出来上がったのは間違いないと思う。そういう意味ではストルガツキーのいくつかの作品に匹敵する、SF界のソヴィエト連邦時代の遺産といってもいいかもしれない。

 「この映画をいろいろな人に見せたところ、腹を抱えて笑う人と、何が面白いのかさっぱり分からないという人にはっきりと2分された。」と書いている人がいたが、私はこのどちらにも当てはまらない。とても好きな映画だが、「腹を抱えて笑う」映画ではないと思う。ここで登場人物たちが滑稽なポーズでやる「クー」や、檻の中でヴァイオリンを弾いて歌うのも、そうせざるをえないからやっているわけで、いわばアイロニカルな表現なのである。
 旧ソ連には(そして今も某国には)これに近いことを実際にさせられていた人々が大勢いたし、現在もいるのだ。あの某国の巨大な規模のマスゲームを思い起こすといい。あれこそ巨大な「クー」であると言えはしないだろうか。
 彼らの置かれた立場は、コメディどころではない。
.28 2007 映画(欧州・アジア) comment0 trackback0

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