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フィリップ・マーロウの事件2

marlowe_2.jpg
 先日紹介した第1集に引き続き、10人のミステリ作家による1950年代のマーロウの活躍を描いた10作品とチャンドラー自身のマーロウものの唯一の短編「マーロウ最後の事件(The Pencil)」を収めた短編集。これを含めると私の読んだハードカヴァー版では第1集、第2集あわせて24編のマーロウが主人公の短編が読めた。ちなみに3月発売の文庫版ではこのうち8編が割愛されている。

 強盗事件で殺害された警備員に対する保険調査を依頼されたマーロウが事件に隠された真実に気づく「職務遂行中に」(ジェレマイア・ヒーリイ作)、ドライブインで強盗団に軟禁されるという、ロドリゲス監督あたりの映画を髣髴とさせるアクション作「悪魔の遊び場」(ジェイムズ・グレイディ作)など傑作が目白押し。文庫では割愛された「ディック・ボングを知っていた男」(ロバート・クレイス作)、「アリバイ」(エド・ゴーマン作)もマーロウらしい作品で印象的だった。

 「エイシャ」(エリック・ヴァン・ラストベイダー作:やはり文庫版では割愛)ではマーロウが日本人たちのトラブルに巻き込まれる話なのだが、ここにはいかにも50年代くらいのアメリカ人が描きそうな誤った日本人観が描かれていて、作者は誤った日本人観まで当時を再現しようと思ったのだろうか? ちなみに題名の「エイシャ」は日本人女性の名前。ありえない。50年代日本人女性の名前だと「エイコ」とか「アイコ」とかの名前で「エイシャ」と呼ぶとは思えない。今だったら「愛紗」とかの名前はあるかもしれないけど。ちなみにラストベイダーはファンタジー小説の作家としてちょっと有名で、「ザ・ニンジャ」なんて作品もあるようだ。

 巻末に収録されたチャンドラーの「マーロウ最後の事件」には「さらば愛しき女よ」に登場したアン・リアーダンが登場する。
 本作中、アン本人が28歳だと明言するので、「さらば愛しき女よ」の中でマーロウが彼女のことを28歳くらいと述べているのを考えると、この「マーロウ最後の事件」は「さらば愛しき女よ」からそう日が経っていない、せいぜい数年後であると考えられる。ではこのタイトルは正しくない。原題の「The Pencil(鉛筆)」ではあんまりだし、何かいい邦題はなかったのだろうか。

 全体に非常に楽しい作品集であった。是非ファンのかたは入手困難でもハードカヴァー版を読んでほしいとは思うが、文庫版であっても、意外と作品の少ないマーロウの世界が広がるという意味で貴重なアンソロジー。マーロウファン必携。
.23 2007 ミステリ comment0 trackback0

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