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森敦 浄土


 私の読む本の90%くらいは翻訳もの。たまにははじめから日本語で書かれた本を読もうと思って開いたのがこの本だった。
 森敦は「月山」という中篇で昭和48年に芥川賞を受賞した作家である。この時すでに森氏は61歳で、現在に至るも芥川賞の最高齢受賞なのだそうだ。平成元年に亡くなっているので活躍の期間は短かった作家である。

 その「月山」はだいぶ前に読んだ事があるが、硬い文章で書かれた動きの少ない小説で、なにやら仏教的なイメージを感じた覚えがあるのだが、細かい事は忘れてしまった。
 今回読んだ「浄土」は短編集で、5つの短編が収められている。この作家は霊山である月山に深い愛着を持っていたらしく、ここで読める作品にも月山周辺の集落での暮らしが描かれている。

 タイトル作「浄土」は幼少時当時の満州・京城(現在の韓国・ソウル)に住んでいた作者の同級生の少女の記憶と、その少女と思しき女性と再会する経緯を描いた作品。同級生の少女がお寺のお嬢さんだったこともあり仏教的なイメージが染み出してくるような一作である。
 「吹きの夜への想い」「杢右ェ門の木小屋」「門脇守之助の生涯」の三作はどれも月山近辺での暮らしから生まれた作品で、この作家特有の硬質なタッチで描かれた素描のような短編。もう一作「アド・バルーン」はちょっと現代的で感じの違う作品であるが、この一冊全体を通じてこの作家らしい、洒落てもカラフルでもないが、水墨画のような無骨な美を感じられる作品集であるといえるだろう。

 巻末にはこの作家についての詳しい解説も掲載されていて資料的な価値も十分な一冊である。「月山」「鳥海山」を読んで気に入った人はぜひ読もう。
 私は逆に「月山」と「鳥海山」を読み直さなきゃ、と思ったのであった。多分実家にあったはずだが…
.20 2007 日本文学 comment0 trackback0

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