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ルイス・セプルベダ センチメンタルな殺し屋


 「カモメに飛ぶことを教えた猫」の、チリ出身の作家ルイス・セプルベダの、表題作のほか「ヤカレー」という短編収めた作品集。
 どちらもちょっとハードボイルドな作品である。
 表題作「センチメンタルな殺し屋」は殺し屋家業の中年男が最後に請け負った仕事の顛末を描く作品。主人公の殺し屋はある娘と恋仲になってしまっているのだが、ある日突然心変わりを告げられる。そのせいか仕事でも失態を演じてしまう。失地回復のためにターゲットを追い詰めた彼を最後のどんでん返しが襲う(このどんでん返しは十分予想がついたが)。
 ハードボイルド小説として読んでしまうとレイモンド・チャンドラーやロス・マクドナルドの足元にも及ばないが、テンポのいい語り口やしゃれた会話などスタイリッシュでありながら、登場人物にそそぐ作者のどこか暖かなまなざしが不思議な調和を感じさせる短編である。主人公の殺し屋も任務に忠実でありながらどこかユーモラスで、どこかいいやつなのだ。
 これを読んで「カモメに飛ぶことを教えた猫」を思い起こして見ると、ゾルバにとってカモメのフォルトゥナータを育て、飛ばすということは任務だったのだと考えると、ひょっとしたらこの殺し屋はゾルバの原型なのかもしれないなどと思ってしまう。

 もう一作「ヤカレー」は連続殺人事件を追ううちに保護動物であるヤカレーというワニの密猟団の存在という真実へと迫る保険調査員の物語である。環境問題は「カモメに飛ぶことを教えた猫」でもテーマの一つと言えるが、物語上は軽く触れるだけだが、物語の根幹に関わっている。この辺のうまさはさすが。ただラストで「最後のアナレー」を殺したのは誰だろう?ちょっとはっきりしなかったような気がするが、作者は推理小説を書いてるつもりはなかったのかもしれない。

 ただし、いずれも非常に短い作品で、2作で1時間以内で読んでしまう程度の分量しかない。これだけで1800円というのはとても高いと思う。
.25 2006 中・南米文学 comment0 trackback0

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