スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

ジュール・シュペルヴィエル 海に住む少女


 シュペルヴィエルはウルグアイ生まれのフランスの詩人・作家。この「海に住む少女」は彼の短編のセレクションで10作が収められている。たった今読み終わったので早速レヴューを。

 冒頭の表題作「海に住む少女」はたった一人で海の真ん中の町に住む少女の物語(物語と言うほどのストーリーがあるわけでもないが)である。いきなりこの作品でこの作家独自のファンタジーが炸裂する。この短編が好きかどうかでこの本が気に入るかどうか判定できると思う。それほど独自の、強烈な世界観を持った作品だ。

 私はと言うと、この作品の底に流れる冷やっこさがどうも好きになれなくて、ましてや「セーヌ河の名無し娘」や「空のふたり」といった死後の世界モノは独特の耽美な世界を表現しているのはわかるのだけど、ちょっとついていけない。
 「競馬の続き」では騎手だったリュフが馬になってしまい、最後には自分を裏切った婚約者を殺害してしまう物語だ。とてもおもしろいのだが、馬になるということがなにを象徴したのか理解できなかった。
 「足跡と沼」は陰惨な殺人事件を描いた、この本の中では異色の作品。ガルシア・マルケスの短編になりそこなった感じの作品である。
 聖書の外伝ともいえる「飼葉桶を囲む牛とロバ」と「ノアの箱舟」は好きだった。特に前者はアルヴォ・ペルトの音楽を思わせる美しい作品。

 詩人が書いただけあって詩的な、イメージの飛翔するファンタジー集である。好きな人はハマるだろう。
 死人が多いせいか全体に冷やっこい印象がある。私は同じファンタジーでも南国的・開放的だったロダーリ「猫とともに去りぬ」の方がずうーっと好きだった。フランスとイタリアの気候の差だろうか。それとも料理の差?
.20 2006 フランス文学 comment0 trackback1

comment

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://piaa0117.blog6.fc2.com/tb.php/377-f867bc0a
「海に住む少女」 ジュール・シュペルヴィエル 光文社古典新訳文庫 「猫とともに去りぬ」に続いて、古典新訳文庫は第2回配本にもまた魅力的な作品を持ってきてくれました。これはますます今後の展開が楽しみなシリーズです。 作者は、詩人としても知られていて、フランス
2006.11.06 00:57 Andre's Review

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2006年10月
  ├ カテゴリー
  |  └ フランス文学
  └ ジュール・シュペルヴィエル 海に住む少女

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。