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ガルシア・マルケス 幸福な無名時代


 ガルシア・マルケスのジャーナリスト時代のルポルタージュをまとめた作品集。
 ガルシア・マルケスはデビュー前の1955年、ボコタの新聞「エル・エスペクタドール」の記者として渡欧するが、この新聞がすぐに廃刊となってしまい、ヨーロッパに放り出されてしまう。その後ベネズエラの雑誌「モメント」の記者になってカラカスに住み着くことになる。

 この本に取り上げられたのはベネズエラでのルポ13編で、この時代のベネズエラは独裁政権の崩壊という激動の時代であった。この本でも冒頭の『市民が通りを埋めた日』で独裁政権の崩壊が、『戦う聖職者』ではそのサイドストーリーが語られる。そう言うとこの本を読むのにこの時代のベネズエラの歴史の知識が必要なのではないかと思われそうだが、そんなことはない。ここでガルシア・マルケスが描写する独裁政権の崩壊のイメージは、「族長の秋」で増幅されて執拗に描かれる。

 狂犬病に感染した少年を助けるために血清を届けようとする「命の猶予は12時間」、夫婦喧嘩の後失踪し、数奇な運命の末30年ぶりに帰ってきた男の物語「杭につながれて四年」、脱走犯パトリシア・ケリーの物語「潜伏からの帰還」の三編あたりはのちの彼の短編を髣髴とさせるもので、こういった実際にあった出来事たちが彼の作品の中の幻想的だがリアリティのある部分の血肉をなしているのだろう。

 それにしてもガルシア・マルケス、これを読んでもやはりジャーナリストとしてよりも作家としての天分をはじめから持っていたんだなあ、と思う。

 ところで私はこの本を地元では見つけられず、先日福岡の書店で見つけてやっと手に入れたのだが、なんとこれが乱丁本。161ページから192ページまで完全に入れ替わっている。160ページの左に192ページがあってそこからは161ページまでページ数が減っていくのだ。これって出版社に言えば取り替えてくれると思うのだが、ひょっとして劇レア本?
 それにしてもこれまで43年間の人生で相当たくさんの本を買ったけど乱丁本ははじめて。読んでてあれれっと思った。それでも読んだけど。みなさんは経験ありますか?
.05 2006 中・南米文学 comment4 trackback0

comment

piaaさん、人生初めての乱丁本なんですね。 ワタシも一度だけ単行本で当たりました。 表紙と中身が逆さま。 比較的新しい単行本だったので、すぐに本屋さんで替えてもらえました。
piaaさんの方がすごい状態ですねえ…でも、我慢して読まれたのですよね。 さぞや読みにくかったでしょう。 切手なら、印刷ミスのものって激レアで、ものすごい価値があるんでしょうけれど。

この本、読んだのは覚えているのですが、内容は記憶の彼方に消えてました。 piaaさんのレビューを読んで、そうかそういう本だったのかと、うっすら思い出しました(笑)
2006.10.06 21:28 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
やっぱかなり珍しいんですねえ。
この本自体今あまり流通してないっぽいし、もう読んじゃったからいいかとも思ってます。そのうち古本屋ででも見かけたら買いなおします。

確かにメチャメチャ読みにくかったです。左のページを右から左に読んで、右のページ行って、右のページをめくるんです。普段と逆の読み方をしないといけないわけで、すごく不自然でした。いや~いい経験をした。←どこがッ
2006.10.06 21:38 | URL | piaa #- [edit]
読んだガルシア・マルケスの中では、最高傑作はこれと「戒厳令下チリ潜入記―ある映画監督の冒険」だと思っている捻くれた私ですが、マルケスは全部読むつもりですので、これからもよろしくお願いします。
2007.03.23 18:04 | URL | goldius #ncVW9ZjY [edit]
コメントありがとうございます。
実は以前goldiusさんのブログを拝見した覚えがあります。

ぜんぜん捻くれてないですよ。これを最高傑作に推す気持ち、よく分かります。
私は「戒厳令下チリ潜入記」「誘拐」などはまだ読んでないのです。
なにしろ入手困難ですしね。
「誘拐」のほうは当地の図書館にあるのを確認しているのでそのうち読むつもりでいます。
小説のほうでも幻想的な「百年の孤独」よりもリアルな「予告された殺人の記録」のほうが好きなのでぜひ読みたいのですが…
どこかの出版社が「ガルシア・マルケス・ルポルタージュ全集」を出さないかなあ。
2007.03.23 22:55 | URL | piaa #- [edit]

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