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ストルガツキー 蟻塚の中のかぶと虫

ariduka.gif

 「蟻塚の中のかぶと虫」はマクシム・カンメラー三部作の第2作。(他の2作は「収容所惑星」「波が風を消す」)三部作とはいっても、主人公が同じだけでストーリーは独立してるので続けて読まないとダメとかそういうことはない。
 マクシムは、上司のシコルスキーに命令され、行方不明になった元同僚のレフ・アバルキンを捜すことになる。アバルキンを捜すうちマクシムは、アバルキンの驚くべき出生の秘密を知ることになる。
 SFミステリってろくな作品がないのだが、この作品は例外である。アバルキンはわりとすぐ見つかるが、そこから先が息もつかせない展開。短い報告書のようなスタイルで書かれていて、ストルガツキー作品の中では最高に読みやすい作品でもある。
 途中に挿入されたレフとビッグヘッド・シチェクンの共同作業のレポート「”死せる世界”作戦」はその部分だけでも極めて緊張感の高い短編になっている。このシチェクンというキャラクターがまた、いい。何者かよくわからない犬タイプの異星人で、コミュニケートできてるんだか、できてないんだか。
 マクシムの上司、シコルスキーもいい。こっちもコミュニケートできてるのかよくわからん。上司にはしたくない。
 これと「路傍のピクニック」はストルガツキーの諸作の中でもかなりまともなSFと言えるだろう。ほとんど状況を説明しない「そろそろ登れカタツムリ」なんかに比べたら信じられないくらい読みやすい。
 で、次は「そろそろ登れカタツムリ」の予定。
.22 2005 ストルガツキー comment(-) trackback(-)

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