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辻邦生 夏の海の色(ある生涯の七つの場所2)


辻邦生の連作短編「ある生涯の七つの場所」の第2集で、以前レヴューした「霧の聖マリ」の続き。この連作短編の全体としてのイメージは前回のレヴューを読んでもらうと大体わかるとは思うが、この第2集「夏の海の色」では引き続き「赤い場所からの挿話」「黄いろい場所からの挿話」が、交互に語られる。
 さて今回読んでいて初めて、「赤」の主人公の少年と「黄」でヨーロッパを転々としながら恋人エマニュエルと暮らす男が同一人物である事を実感した。解説を見ても、いや「ある生涯の七つの場所」というタイトルからもその事は自明のはずなのに。といってもそれぞれの作品にはつながりは薄いし、「赤」と「黄」の間にはかなりの隔たりがあるのだが。

 作品はどれも静謐で美しい。とても美しい日本語で書かれた作品である。普段翻訳物ばかり読んでいる私としてはこの日本語の美しさがとても新鮮である。なにかこう独特の湿り気と香気を含んだとても素晴らしい文章で書かれた作品である。
 単独の短編としては過去を持つ女性と少年のふれあいを描く表題作「夏の海の色」が出色の作品。
 ミステリ風の「泉」、「凍った日々」などが印象に残ったが、概して少年時代を描いた「赤」のシリーズにノスタルジックな魅力を感じる。どれもとても味わい深い作品なのでゆっくり読んで欲しい。(といいながらやたらに早読みの私だった)
 次の第3集では「赤」「黄」が終わって「橙」「緑」が始まる。
 ちなみに私の読んでいるハードカヴァーと、中公文庫版とは構成が違う。ハードカヴァーは8冊、文庫は7冊なので、注意が必要。
.19 2006 日本文学 comment4 trackback0

comment

piaaさん、こんばんは。 2巻目を読まれたのですね。

ほんとうに素敵な日本語の世界ですよね。 ちょっと他の作家では味わえない綺麗さがあって、ゆるゆるとその世界に浸りつつ、気がつけば最終巻。 このまま、ずっと続いていてほしい…そんな気持ちになって、大切に一遍ずつゆっくり読んでいます。 
2006.04.21 00:32 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
vogelさん、こんばんわ!
実は私大勘違いしてました。ハードカヴァーは8冊なんですよ。
「霧の聖マリ」「夏の海の色」「雷鳴の聞こえる午後」「雪崩のくる日」「雨季の終り」「国境の白い山」「椎の木のほとり」「神々の愛でし海」というタイトルの8冊のようです。
ところが、ネットの古本屋さんを探しても第6巻「国境の白い山」が見当たりません。それに今月は本買いすぎでお財布の中がピ~ンチ!こまったなあ。

ま、何が何でも順番に読まないといけないタイプの作品でもないので気長に探す事にします。
2006.04.21 01:15 | URL | piaa #- [edit]
私もこの連作が好きで、中公文庫版で楽しんで読みました。個人的にはヨーロッパ舞台が好きでしたね。
それにしても、スペイン内戦を素材にするとそれだけでストーリィが哀調を帯びてくると感じるのは、日本人だけの心性なんでしょうか。
2006.04.27 12:59 | URL | 迷跡 #- [edit]
意外と読んでる人多いんですねえ
ちなみに「夏の海の色」は教科書にも載ってたことがあるそうですね。
一作一作がちょうど読みやすい長さだし、
構成の面白さでも惹かれるところがある連作短編ですよね。

・・・スペイン内戦?先のほうでそんな展開があるの?
2006.04.28 00:08 | URL | piaa #- [edit]

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