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アメリカン・スナイパー


2015年 米
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー

 イラク戦争で160人の敵兵を射殺したとされる米軍の伝説の狙撃手、クリス・カイルの伝記映画。WOWOWで放送されていたので観た。

 もちろん相当重い内容の130分だ。
 ここで描かれているものは、戦争の不条理そのもので、その中で戦果を上げて英雄と言われながらも、普通の一人の人間として、父親として苦悩する男の物語である。
 強烈な反戦映画であると同時に、アメリカに蔓延するマッチョイズムと銃社会に対して徹底的に異議を唱えた映画であると思う。
 少年の時に父親から「決してライフル(銃)を地面に置くな」と言われるシーンがあるが、最後の戦いで敵に包囲され、絶体絶命の危機を、砂嵐に紛れて逃げるシーンで主人公は銃を捨てて行く。明らかにこの二つのシーンは関連している。銃を捨てて日常へ戻るという意味で象徴的なシーンなのだ。
 それとラストシーンで、当然弾は入ってないのだろうけど拳銃を振り回しながら主人公が家族と戯れるシーンがわれわれ日本人にはありえない。正直このシーンにはぎょっとしてしまう。この直後に主人公は自分が救おうとした元兵士に銃で撃たれて殺害されてしまうのだが、そのあたりも含めて監督・クリント・イーストウッドが銃の危険性をさらりと訴えているように思えてならない。
 そして主人公の狙撃手としての初めての仕事が、対戦車手榴弾をもって海兵隊の部隊に近づくアラブ人母子の狙撃だというのがこれまた象徴的で、自分も妊娠中の妻を持つ主人公が、子供と母親を撃たねばならないという不条理。これこそが現代の、戦場と生活の場との境目が限りなく曖昧な「戦場」の不条理なのだ。

 カイルはマッチョイズムと人間性の間で苦悩する。これはアメリカが抱える大きな問題だと思う。
 うちの婿殿は極めて優秀な青年で記憶力抜群だし、おそらく勉強も相当できるだろう。そんな彼が大学にも行かず軍に入って、遠いマサチューセッツから日本くんだりまで来てしまう(まあそのおかげでMINMINと出会ってうちの婿になったわけだが)。そのこと自体がアメリカという国のおかしさを表してはいないだろうか。
 彼が軍籍にある間にこんなアホな戦争がないことを願うばかりだ。

 物語の性格上、完全にアメリカ目線で描かれているが、イラク戦争そのものの意義(私個人としては全くの無駄だったと思うが)がどうだったかとか、イラクの兵士たちにも生活があっただろうとかいう主張は、全くこの映画を観るときに意味をなさない。
 正義は多面的なもので、見る角度によって大きく違う。だがそんなことを言っていては仲間や愛するものを、そして自分を守れない。戦いとなれば自分の側の「正義」を信じるしかないのだ。主人公が置かれた「戦争」の局面はそういう次元の局面なのだ。

 だからこそ戦争など決してしてはならないのだが、現代はほかの人々の意見に聞く耳を持たないISや北朝鮮が純粋な「悪」として世界の前に立ちはだかろうとしている。いったいどうしたらいいのだろう。
.16 2016 映画(ハリウッド) comment0 trackback(-)

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