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フィツカラルド


Fitzcarraldo 1982年 独
監督:ウェルナー・ヘルツォーグ
出演:クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレ

 BDレコーダーに録画したっきり観ていなかった映画。今読んでる本にヘルツォーグのことが書いてあったのでちょっと観てみようかなあという気になって観たのだが。

 ヘルツォーグ作品を観るのはこれで3作目。以前「アギーレ・神の怒り」「ノスフェラトゥ」を観ているのだが、3作に共通して言えるのはどれもかなりキ○ガイじみた映画だという事だ。

 この「フィツカラルド」では、あのクラウス・キンスキーも「アギーレ…」あたりに比べればまだまだフツーの人に見えるのだけど、よくよく考えてみるとこのフィツカラルドという男、最初から考えていることがおかしい。密林にオペラハウスを建てたいというのが彼の夢で、そのために一儲けするために借金をして土地を買おうとする。天然ゴムが採れて大儲けできるのだ。
 だが開発が容易な土地はすでに人のものなので、買えるのは山奥の土地だけ。川で物を運ぼうにも途中に急流があって船が通れない。山の反対側にも川があるのだが、そこは首狩り族の原住民の土地なので通るのは危険だ。
 そこでフィツカラルドはあるアイディアを思いつく。船を引っ張り上げて山を越えてしまえばいいのだ。

 その「船で山を越える」というアイディアを、このヘルツォーグというキチ○イ監督は、実際にやってしまうのだ。CGなんてなかった時代だし、この映画の撮影のために実際に山の木を切り倒して船を引っ張り上げたのだから恐れ入る。
 バカである。観ていて唖然とする。大体、本来なら帰路も同じことをやらなければいけないし、山を越えたところで原住民の脅威がなくなるわけではない。
 でもそんなことはどうでもいい。この作品のキモは『オペラをたくさんの人に聴いてもらいたい』、というたったそれだけのために船を山に登らせた男の夢の話なのだ。だから、結局失敗して戻ってきても観終わった印象は爽やかだ。

 フィツカラルドがオペラを神聖視していることもあって、この映画にはオペラがたくさん出てくる。冒頭カルーソーが歌っているのはヴェルディの「エルナーニ」だし、途中で「パリアッチ」などのレコードをかけるシーンもある。ラストの船上コンサートは「清教徒」だ。映画自体の泥臭さとオペラの響きが妙なバランスで興味深い。

 脇役がみんないい。職務に忠実な雇われ船長のパウル、いつも酔っぱらっているコックのエウレケケ、一癖ある機関長のチョロの三人がそれぞれ非常にいい味を出している。フィツカラルドの愛人で娼館を営んでいるモリーを演じるクラウディア・カルディナーレがこれまた魅力的。
 というわけで、ヘルツォーグ作品としてはキ○ガイっぷりは最高クラスだが、そのキチ○イっぷりがポジティブな方向に向かっているので印象は良い。映画としても全体に明るいトーンの作品に仕上がっている。ちょっと長くて大変だが、「奇跡」を目の当たりにできる稀有な映画だ。
 と言っても、実際には人が起こしたものだから「奇跡」ではなく、ヘルツォーグの「執念」の成果なのだろうけどね。
.07 2016 映画(欧州・アジア) comment0 trackback(-)

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