スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

ヴォルテール カンディード


 書店で目についてなんとなく買ったのだが、浅学にしてヴォルテールがいったいいつの時代の人かすら知らなかった。読んでる最中にこの作品が1700年代の半ばに書かれたことを知って驚いた。それほど現代的な作品である。

 この作品はバーンスタイン作曲の「キャンディード」というミュージカルで有名。とは言え私も「序曲」以外は全く聴いたことがない。なのでどんなお話なのか全く予備知識はなく、単純に「キャンディード」の原作という事で手にとったわけだが、簡単にストーリーを要約すれば、師の唱える「最善説」を無邪気に信奉していた青年カンディードが戦争や災害といった世の中の悲惨をさんざん見せつけられながらも愛する女性を救うために世界中を流浪するという物語である。

 ここで言う「最善説」とは、ライプニッツが唱えたもので、すべての世界での出来事は神の計画に従って必然的に起こっていて、結果的に最善な方向へ導かれていると考えるものである。一般的にこの作品はその「最善説」へのアンチテーゼとして書かれたと言われていて、作中カンディードは戦場となった村で兵士に強姦された上に殺害された娘たちを見たり、大地震に見舞われたリスボンで被災地の悲惨な状況を目の当たりにする。カンディード自身も愛するクネゴンデを救うためとはいえ聖職者を手に掛けたうえ逃亡したりもする。この作品はそんな状況も神が「最善」として示したものなのだろうか、という問いかけなのだ、という。
 しかし、そんなことは考えなくてもこの作品は十分面白く読めるし、作品自体「最善説」に疑義を投げかけたというような大げさなものというよりは、「最善説」に対する疑問をコメディに仕立てたものという感触である。

 とにかく、今読んでも全く古くない。確かに時代設定は古い時代(書かれた当時)のものなのだが、登場人物たちのものの考え方とかがまったく現代と変わらない。社会風刺についてもまんま現代に通じる。250年前に書かれた事を、言われるまで気づかないレベルである。そういう意味では「ドン・キホーテ」をも思わせる(もっともあっちは400年前だが…)。
 ドイツ、ポルトガル、アルゼンチン、エル・ドラド、ヨーロッパに戻ってイタリア、トルコ…と世界中をまたにかけたカンディードの冒険はまさにコスモポリタン。そのへんも現代的だ。
 単純な冒険の話として読んでもいいし、人の在り方について考察するような哲学をやさしく語ったものとして読んでもいい。
 まあとにかくそれでも、人は自分の畑を耕さなくてはいけないわけだけど。
.13 2015 フランス文学 comment2 trackback(-)

comment

意外! 現代的なんですね。 1700年代半ばに書かれたものといえば「古典」、つまり古臭いと決めつけて私だったら絶対に手に取らなさそう(笑)。

そういえばヴォルテール=啓蒙思想、と昔むかしの高校時代に習ったんだっけ…というくらいの知識しかなくて、著書のことは全然知りませんでした。 ゲーテの一世代くらい前の人ですよね。

piaaさんが紹介されたあらすじだけ読んだら、ちょっと「ファウスト」みたいなのかなと思ったのですが、コメディーなんですね。 でも、ゲーテはきっとこれを読んだんだろうなと勝手に想像したりして。
2015.12.18 22:28 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
そうそう、ゲーテよりも昔なんですよねこれ。
「ファウスト」みたいな難渋なところは全くなく、サクッと読めるスーパー古典作品だと思います。
主張したいところを声高に叫ばないところがとても現代的だと思います。
ダマされたと思って読んでみてください。
2015.12.19 12:25 | URL | piaa #- [edit]

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2015年12月
  ├ カテゴリー
  |  └ フランス文学
  └ ヴォルテール カンディード

カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。