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ロバート・F・ヤング たんぽぽ娘


 ちょっと前にテレビドラマにもなった「ビブリア古書堂の事件手帖」という作品の中で紹介されて有名になった表題作以下、アメリカのSF作家ヤングの作品を集めた短篇集。文庫化されていたので読んでみた。

 ヤングは1915年生まれ1986年没のアメリカ人SF作家。ブラッドベリの5歳年長にあたるが、作風はブラッドベリと似ている。ひとことで言うと、ブラッドベリから怪奇趣味をなくし、ノスタルジー成分を減らし、その分ロリコン成分と少しだけSF成分を増やした感じの作品を書く人で、この作品集の収録作では「主従問題」はまさしくブラッドベリ風味。ブラッドベリが苦手な私にとってはあまり好みではない作品が並んだ一冊だった。

 とは言え収録作はどれもかなりハイレベルな作品ばかりだ。商業主義によって芸術が淘汰されることへの風刺が効いた「エミリーと不滅の詩人たち」や人生の終わりに自分の一生がいかに無為だったかを思い知らされる「失われた時のかたみ」のようなちょっぴりダークな作品もあるが、「河を下る旅」のように重い感じで始まりながらも結局はハッピー・エンドへと見事に持っていく作品に代表されるような、基本的には人間と人生を愛する思いが前に出た作品が多い。ロリコンというちょっと偏った面もあるが。

 評判の表題作「たんぽぽ娘」はその線にタイムトラベルSFの要素が加えた非常に可愛らしい作品で、多くの人に愛されるのが頷ける作品ではあるのだが、あまりにもナイーヴすぎて私の好みではない。それとせめて主人公にジュリーの様子が若い頃のアンを思わせた、とセリフでなく地の文でいいからひとこと書いておいて欲しかった。同じ時間旅行テーマの「荒寥の地」の方がタイムトラベラーと語り手の交流をクールに描写していて作品としては数段上だと思う。
 タイムトラベラーのトラブルが「Sleeping Beauty」の昔話へと繋がる「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」は単純な話だが、その単純さが故に楽しい作品だ。

 結構スペオペ的作品が面白かった。この作品集の中ではジェンダー逆転の世界で特攻機のパイロットを任せられた男と迎撃用人間爆弾の女性との出会いを描く「神風」はこの作品集の中では最もハードな世界を持った作品。この作家どれだけ女(成熟した)嫌いなのかがうかがい知れる作品でもある。
 この作家のシリーズもの、「宇宙クジラ」シリーズの一作「スターファインダー」は独立した短篇として発表されたが、後に同名の長編小説(未訳)の一部になっているらしい。これだけ読んでもなかなか面白いが、あとがきによると長編はイマイチなんだとか。ちなみにこれも女嫌い炸裂。
 「ジャンヌの弓」はアニメ映画にしたら面白そうな作品。これまた作家の少女好きが炸裂している。ロリコンばかりの日本では絶対受けるだろう。

 というわけで、大抵の日本人SFファンなら好きそうな作家だ。センチメンタルなSFやジャパニメーション的ロリコン万歳なSFを読みたい方にお薦め。
.29 2015 SF comment0 trackback(-)

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