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関敬吾編 日本の昔話1 こぶとり爺さん/かちかち山


 柳田国男に師事した民俗学者、関敬吾が日本の昔話を採録した全三集の第一集。これ一冊だけで60ほどの作品が収められている。

 これはかなり興味深い一冊だ。表題作の有名な「こぶとり爺さん」、「わらしべ長者」の琉球版「わらしべの王子」あたりは普通に今語られる物語そのまんまなのだが、面白いのは有名作のベースになったのかあるいはバリアントなのか微妙に違う展開になるものの方だ。
 例えば「浦島太郎」に似ている鹿児島県の民話「魚女房」では、竜宮にあたる「ねいんや」に行った男が、そこの娘を妻にもらって帰ってきて金持ちになるが、妻が水を浴びるところは決して見てはならないと言われ、それを見てしまった為に妻は帰らなくてはならなくなり、その後玉手箱に当たる「ちーちー小函」を開けると、箱から出てきた煙に包まれた男は貧乏になってしまう。
 「鶴女房」は題名からわかるとおり「鶴の恩返し」のバリアントだが、ラストで別れた妻を探して見つけ出すというくだりが追加されていて、作品全体の印象は有名な「鶴の恩返し」とは全く違うものになっている。
 さらには天女の羽衣を奪って嫁にしてしまう「天降り乙女」は要するに「羽衣伝説」のバリアントなのだが、実は千一夜物語にも「ハサン・アル・バスリの冒険」という基本同じ話があった。そういえば前述「鶴女房」の最後の方はすごく簡単になってはいるが「ハサン・アル・バスリ」の最後の方でワク・ワク諸島を訪れるのと似ているかもしれない。
 「三人の兄弟」という話も、三人兄弟がそれぞれ旅に出て、というパターンが、どこかでそっくりな話を読んだ気がすると思ってよく考えてみたら、やはり千一夜物語の「ヌレンナハール姫と美しい魔女の物語」の前半部によく似ている。
 もちろん「遠野物語」に収録された物語とも親和性を感じるのだが、やはり民話ってかなり世界共通の部分があるんだなあと納得したり感心したり。
 あと思ったのは正直者と強突張りを対比させる「こぶとり爺さん」パターンの物語がかなり多い。これは日本の昔話の全体的な傾向なのだろうか?ストレートに教訓が伝わるので子どもに話すにはいいんだろうけど。

 しかし「馬喰やそ八」には恐れ入った。主人公やそ八は病の母の世話もせず見殺しにした上葬式も出さず寝かせたままにして、それを悪事に利用する極悪人だが、結局は長者どんを謀殺して自分が長者の座に収まってしまうという、今風に言えばピカレスク小説だ。ちゃんと因果報応でやそ八がひどい目に遭う結末をつけないとこんな話は子供には話せない。
 「かちかち山」として前半と後半が全く違う話が掲載されていて、なんだかよくわからない。今普通に話されている「かちかち山」ってこういういくつかの話をつぎはぎしたハイブリッド民話なのだろうか。

 というわけで、非常に面白かった。他の二冊も見つけたら読みたい。
.05 2015 世界の民話 comment0 trackback(-)

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