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梨木香歩 冬虫夏草


 この作家の代表作「家守綺譚」の続編。実は今年の初めに読んでたのだが、これは夏に読んだほうが良さそうな気がして、夏にもう一度読んでレヴューしようと思っていたのだがなかなか読む機会がなくてこれまでレヴューせずにいた。
 もう今年もあと一ヶ月ということで、このままレヴューなしにもできないので遅ればせながら書かせてもらうことにする。

 綿貫征四郎は相変わらず高堂の家でのんびり暮らしているのだが、ある日愛犬のゴローの姿が見えなくなってしまう。それから半年、鈴鹿の山中でゴローを見たという情報を得た征四郎は、その地にあると言われているイワナの夫婦が営む宿を探しがてらゴロー捜索の旅に出る。

 「家守綺譚」が「家」を中心にした、どちらかというと静的な作品だったのに比べ、こちらの作品では一転して主人公が家を出てあてのない旅をするという内容なのでかなりアクティブな、ロードムービー的な内容になっていて、そういう面では前作とはかなりシチュエーション的には異なっているのだが、作品の持つ雰囲気は前作同様のもので、その感触は共通。内容的に前作からしたらかなりひねった展開でありながら違和感はない。
 前作同様人ならざるもの、カッパとか龍とか、イワナの夫婦とかが登場してくる怪異譚的な要素も持つのだが、そんなのもこの時代には普通にあったのだろうとなんとなく納得して読める。下手するとラノベみたいな娯楽作品になってしまいそうな題材なのだが、これは見事に「文学」になっている。
 
 この作家の作品はどれもそうだが日本語の表現が非常に美しくて、現代作家としては昔ながらの日本文学の美点を継承しているほとんど唯一の存在だといってもいいのではないかと思う。日本人ならではの死生観や自然観がにじみ出ていて、全てのものに対して注ぐ眼差しの暖かさに心打たれる作品でもある。
 まだこの作家の作品を読んだことのない人は、「家守綺譚」「村田エフェンディ滞土録」そしてこの「冬虫夏草」をぜひ読んで欲しい。日本文学ってこんなに良いもんなんだと実感できると思う。
 もっと読まれるべきだと思う。村上春樹なんて意味のないものやヒャクタみたいな偏った思想の持ち主の作品を読んでる場合じゃない。
.03 2014 日本文学 comment0 trackback(-)

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