スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

完訳 千一夜物語 第10巻


 さて千一夜物語も第10巻に突入。今回はかなり短い話がたくさん載っているのが特徴だろうか。今回もエロ小噺の数々が炸裂する。

 もっともヤバかったのは不倫妻の話『カマールと達者なハリマの物語』だろう。ラストで不倫妻ハリマが夫の手にかかって殺されると溜飲を下げたシャリアール王は、以前妃を次々に亡き者にしたのは正当であったと感想を述べる。シェヘラザードもシャリアール王に向かってよくこんな話をしたもんだ。
 命の危険を感じたシェヘラザードは続けて『羊の脚の物語』を始めるのだが、これがまたふたりの夫を持つ女の物語というかなりきわどい話で、このタイミングでこのチョイスはないだろう。シェヘラザードかなりの命知らずだ。物語自体はふたりの夫がこの妻を巡って自分の仕事である盗みとスリの腕前を競うというもので、かなり面白いのだが。

 他の作品はシャリアールの機嫌を取るにはまあ無難な線であると言えよう。自分が欲した宝物を探して戻らないふたりの兄を救うため危険を冒す健気な妹を描く『薔薇の瞳のファリザード』はどことなく西洋的な気配の漂う作品で、ファリザードとふたりの兄の出生の秘密も絡んでどこの世界に置き換えても通用するオーソドックスな昔話である。これと美しいヌレンナハール姫を得るために世界で最も珍しい宝物を探しに出かけた三人の王子、というちょっと「竹取物語」を思わせる展開で始まりながら意外な方向へ進んでいく二重構造の物語『ヌレンナハール姫と美しい魔女の物語』の二作は「千一夜」らしい楽しい読み物だ。
 逆にこの作品集では珍しい陰鬱な印象の『運命の鍵』もなかなかの傑作。ちょっとボルヘスっぽい。

 後ろの方の三作は正直言ってあまり面白くなかった。なんか棚からぼた餅的ラッキーで幸せになる話を聞かされてもなあ、という感じだろうか。
 とにかく続けて読むと間違いなくマンネリ。あと三冊、また気が向いたら読みます。
.06 2014 世界の民話 comment0 trackback(-)

comment

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。
    http://blog.livedoor.jp/piaa0117/

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2014年09月
  ├ カテゴリー
  |  └ 世界の民話
  └ 完訳 千一夜物語 第10巻

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。