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煉瓦荘 (J-POP歌詞考察)

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 太田裕美の1978年のアルバム「ELEGANCE」のB面に収録されたバラード曲。松本隆作詞、筒美京平作曲。

まず歌詞。

あれからは詩を書き続けた
哀しみにペン先ひたして
想い出で余白をつぶした
君の名で心を埋めた

井の頭まで行ったついでに
煉瓦荘まで足をのばした
運良く君が住んでた部屋が
空室なんで 入れてもらった
煉瓦荘 売れない詩人とデザイナーの卵
煉瓦荘 窓まで届いた林檎の木の香り
倖せの形は見えない
でもぼくは心に描ける
椅子の影 シーツの襞にも
倖せの尻尾が覗いた

家具のない部屋 何故こんなにも
小さく狭く見えるのだろう
ここで絵を描き 飲んで歌って
朝になるまで寝顔見てた
煉瓦荘 屋根まで上れば副都心が見えた
煉瓦荘 心に煉瓦を積み崩した部屋さ
毎日が時代の空気に
息づいてあざやかだったね
傷ついた深さを計れば
愛してた深さもわかるよ

ぼくの創った石膏像は
似ても似つかぬ君の微笑み
でもひとつだけ似ていたのは
石で出来てた君の心さ
煉瓦荘 崩れた白壁 荒れた庭の草よ
煉瓦荘 ぼくらの青春眠っている場所よ
あれからは詩を書き続けた
哀しみにペン先ひたして
出来るなら何も書いてない
人生の白紙が欲しいよ


 これは作詞家・松本隆のひょっとしたら実体験が基にでもなっているのではないかと思えるような内容で、昔の恋人を思い出す男の心情を見事に描き出している。全共闘の残り香さえ漂ってくる見事な歌詞だと思う。
 しかし、この曲の場合その曲そのものが独特の構造を持っている。
 通常、ポップス音楽はバース-ブリッジ-コーラスの三つのパートで出来ていて、それを歌詞の一番、二番というふうに繰り返す。最近は最後の段に新しいメロディが出てくる曲も多い。
 ところがこの曲は、冒頭の4行分のメロディがその後全く出てこない。この部分は非常に哀切な印象で、その後の抑えた曲調とかなり対照的なのだが、コーラス部分のメロディに置き換わって「あれからは詩を書き続けた 哀しみにペン先ひたして」の歌詞が再現する瞬間、抑えていたものが溢れた感覚で胸にグサッと刺さる。
 そうして出会って別れ、それを痛みとともに繰り返しながら人生は続いていく。そのことをこの曲は静かに説いている。
 だから15歳の時に聴いたとき「青春」の痛みに憧れと恐れを抱いたように、50歳になって聴けば「青春」の痛みに懐かしさと悔悟を覚えるのだ。

 この曲を聴くと、もう遠くなってしまった青春時代に好きになりそうだったある女性のことを思い出す。大学時代に住んでいた街で出会った、とても素敵な子だったが、その直前の手痛い失恋の傷が癒えてなかった私は彼女を愛するところまで至らなかった。彼女は元気にしてるだろうか。結婚して幸福な人生を送っているかな。
 ググってみたら当時彼女がバイトしていたあの駅前の喫茶店は今でもあるようだ。
.25 2014 J-POP comment0 trackback(-)

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