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愛と誠


2012年 日本
監督:三池崇史
出演:妻夫木聡、武井咲

 梶原一騎原作の往年の人気マンガの映画化作品。原作は1973年から76年にかけて雑誌に掲載され、1974年には西城秀樹主演で映画化もされている。
 これは三池崇史監督による2012年のリメイク。正直武井咲は好きな女優さんではないし興味なかったのだが、WOWOWで放送されていたのをついつい観た。
 
 『なんだかミュージカル仕立てらしい』『原作者が生きてたら激怒しただろう』といった噂は聞いていたのだが、全くそのとおりの作品で、梶原一騎が生きてたら制作会社に殴り込んでたかもと思わせるような内容だ。

 監督は若い頃夢中になった70年代の熱血マンガが、現代の目で見るとこんなにアホらしいものだということを示そうとしたのだろう。その結果作品はパロディ的にならざるを得ない。早乙女愛の、誠に対する一方的な愛情は現代の目で見ればただただウザい。岩清水の、愛に対する思いも同じようにウザいのだ。このウザさこそがこの映画の持ち味である。
 考えてみればあの頃のマンガの主人公たちって本当に一面的な人物ばかりだ。自分の目標のことにしか興味がないように描かれている。たとえば『巨人の星』の星飛雄馬は野球のことしか頭になかったし、『アタックNO.1』の鮎原こずえはバレーボールのことしか頭になかった。それと同じようにここで登場する早乙女愛は自分の「誠への愛」にしか興味はなく、しかもその思考は徹底的に自己中心的である。
 これはそういう風に原作で描かれた一面的な人物を、原作通りに一面的に描いた画期的な映画だと思う。そこに誠が結構クールにツッコミを入れるのでなかなか笑える。
 昭和歌謡を取り入れたミュージカルシーンも意図的に残念な感じに作ってあり、ウザさを強烈に演出する。
 そのウザさの裏には、えも言われぬ快感が潜んでいて観始めるとついつい観嵌ってしまうなんとも異常な何かを持った映画だ。
 キャストは年齢的に高校生役はアリかと思えるような、かなりアブナい人選を含んでいると思うのだが、観てるとそんなに気にならない。武井咲もどこかピントのズレた早乙女愛を可愛く演じていて合格点だが、ガム子役安藤サクラが素晴らしい。

 よくおっさんたちが『昭和時代は良かった』みたいなことを言うが、この映画を見て今の若い人は『昭和時代は良かった』と思うだろうか。考えてみれば昭和って、月休4日が当たり前で「時短」なんて言葉もなかった。スモッグで大気汚染され今のPM25どころの騒ぎではなかったし、アメリカの核実験の放射能が現代の原発事故と大差ないレベルであたりを漂っていた。道行く人はところかまわずタバコを吸っては投げ捨て、イベントが終われば会場はゴミの山だった。そしてこの映画で描かれるように、ちょっとしたトラブルの解決に暴力が普通に使われていた。

 もちろん昭和時代の方が今よりもよかった事もたくさん知ってはいるのだが、この作品を見たら今がこんな時代でなくてよかったと改めて思う。
.26 2014 映画(日本) comment0 trackback(-)

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