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蒲松齢 聊斎志異(ボルヘス編)


 17世紀に書かれたという中国の膨大な怪異譚集である「聊斎志異」の中からボルヘスが選んだ14篇を収めた「バベルの図書館」の一冊。古本屋で発見して買ってきた。

 「聊斎志異」は蒲松齢(ほ・しょうれい)という人が収集した不思議な話を自ら脚色したものをまとめたもので、全部で500篇ほどの物語があるそうだ。昔話題になった映画「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」もこの「聊斎志異」のなかのエピソード「聶小倩」から作られているのだそうだ。

 ここでは160篇が訳された抄訳の英訳版からさらにボルヘスが選んだ14作が収められている。冥界の試験を受けたり、死んだ老僧が青年の体で蘇ったり、虎に変身する男がいたり、物の怪に取り憑かれたり、基本のところでは日本だろうが中国だろうが、あるいはどこか西洋だろうが、怪異譚のパターンは似たり寄ったりなのだけど、中国だなあと思うのは物語の中心人物だった人があっさり死んだり、あるいはいつの間にか退場してほかの誰かが主役みたいになっていたりといった人的な出入りが多い事。
 たとえば「虎妖宴遊」という話では、最初に登場したキョウ(「龍」の下に「共」の文字)生という書生が苗生という男と知り合うが、苗生は実は虎の物の怪で…という感じで物語が進むのだが、途中からキョウ生の姿は見えなくなり、物語はキョウ生の友人の友人である将生の運命に引き継がれてしまう。
 「人皮女装」でも、主人公だったはずの王生が女に化けた物の怪に殺されてしまうと、視点が王生を生き返らそうとする彼の妻に移ってしまう。
 「生首交換」は澁澤龍彦が「護法」という作品に翻案したことでやや有名な作品らしい。超能力を持つ謎の男、陸と知り合った朱は、いろいろと陸に助けられる。陸は朱が妻の器量が悪いことを気にしていると知ると、どこからともなく美女の首を持ってきて妻の首とすげ替えるが…という話だが、これもかなり構成がゆるく、朱の死後のエピソードが語られる最後の方など、もうそんなのどうでもいい話だと思ってしまう。

 そういうちょっと雑なところがこれらの作品の弱点であることは間違いないんだろうけど、逆に「お話」としてリアルな感じもする。民話的な素朴さがあっていい味が出ていると思う。14篇は少なすぎ。もっと読みたかった。

 この本では、巻末に「紅楼夢」からファンタジー色の強い断片2篇が収められている。「聊斎志異」の流れから見れば脈絡ないが、ボルヘスが中国怪異譚をどう捉えていたかを示す良い見本だと言えるだろう。
.28 2013 アジア・アフリカ文学 comment0 trackback(-)

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