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犬村小六 サクラコ・アトミカ


 はっきり言って片山若子さんのカヴァーでなかったら絶対に読まなかった。犬村小六という人は「とある飛空士の追憶」という作品が一部で人気を博した新進作家である。

 まあセリフのノリがラノベだ。絶世の美女で囚われの姫君サクラコは「わらわは~じゃ」といういまどきありえない喋り方をするし、その護衛に付けられた最強の戦士ナギは感情のない人造人間(みたいなもの)なのだが、一人称は「ぼく」で非常に普通に、そのへんの高校生みたいに喋る。
 絶世の美女であるために誰からも欲情を持ってしか見られたことのないサクラコと、殺戮に明け暮れ、愛はおろかなんの感情すら持てなかったナギのふたつの孤独な心が出会い、囚われの姫とその監視係という障害を乗り越えてお互いに愛を感じるようになるが、サクラコを幽閉したオルガが二人を引き裂く。

 世界観も物語もディティールもかなりいい線行っている。ナギらの戦い方は思念を現実化させるという独特のもので、ここではあまり詳しく説明されていないが、例えば量子力学かなんかと絡めてうまくその原理を説明できたらかなりすごいSFになったかもしれない。サクラコの美しさが世界を焼きつくすというアイディアもいいが、サクラコを原子レベルまで分解してそれを原子砲のエネルギーにするという手法が思ったよりも直接的すぎてちょっと鼻白んだが、謎の巨大生物と空中艦隊との凄絶な戦いなど見せ場も多いし、並行して起こっていると見せかけて実はそうでないという仕掛けも面白い。
 それでいてセリフのノリがいかにも軽いのがかなりアンバランスだ。今の若い人はこういう風でないと読めないのだろうか。そこだけは気になったが、全体ではかなり面白かったと言ってもいいだろうが、読者に媚びずにもっとストイックに書いたら傑作になったかも知れない。そこが残念。
 ちなみにサクラコの出身地「阿岐ヶ原(あきがはら)」ってやっぱ秋葉原のことかなあ?

 で、そのストーリーの中で十葉ほどの片山さんのイラストが挿入されている。どれも大変カラフルだが透明感のあるなんとも美しくて素敵なイラストだ。このイラストのためだけに買ってもいい。このイラストがどういう意味なのか知るために本文読んだようなものだ。
.12 2013 日本文学 comment0 trackback(-)

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