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完訳 千一夜物語 第9巻


 さて千夜一夜物語も第9巻に至って最も有名な「アラジンと魔法のランプ」がついに登場。これってディズニーアニメがやたらに有名だが、これを読んだらあのアニメってかなり原作に忠実だったのがわかって面白かった。

 この第9巻では「アラジン」以外に6個の物語が語られる。
「眼を覚ました永眠の男の物語」は毎度おなじみの暴れん坊教主ハールーン・アル・ラシードがアブール・ハサンという男をいじったりいじられたりして遊ぶ話。先日読んだ「エジプト人」でカプタが「偽王」にされて散々なぶられるエピソードがあったが、ひょっとしたらこれが元ネタかも。

「若者ヌールと勇ましいフランク王女の物語」はかなりひどい話で、拐かされたフランク(フランス)王女マリヤム(マリア)がイスラム男性ヌールと結ばれてイスラムに改宗するが、娘を取り返そうとしたフランク王に連れ去られる。ヌールはマリヤムを追ってフランクに乗り込むが…といった話なのだが、このマリヤムという姫君がとんでもない。彼女が大暴れしてキリスト教徒の血の雨が降る。普通だったら、敵とはいえ容赦なく殺害してしまうようなこんな恐ろしい女はさすがのイスラムの男たちでも御免こうむるだろう。イスラムの排他主義が悪い形で出てしまった作品だといえる。

「処女の鏡の驚くべき物語」はイスラム社会でも処女が尊ばれていたことを示す一作で、一方イスラムで処女を探すことの難しさをも覗わせて興味深い。あまりに乱れた風紀に対するちょっとした風刺も含まれているような。まあ物語自体は途中で先が読めたけど。

「アラジンと魔法のランプ」だが、主人公のアラジンときたらろくに仕事もせず老いた母親のわずかな稼ぎで食いつないでは遊びまわっているロクデナシだ。なんでこんな怠惰な主人公に幸運が転がり込むのか全く理解できない。
 そこだけは疑問だが、あとは大変面白いお話になっている。ディズニーアニメと違う点は、魔神(ジンニー)が二人いること。ランプの魔神ともうひとり、指輪の魔神がいる。ランプを奪われ窮地に陥るアラジンはもう一人の指輪の魔神に助けられてランプを奪還するのだ。これはちょっとご都合主義すぎるのでアニメでは魔神は一人だけになったのだろう。あのアニメ映画が好きな人はぜひ一度読んでみることをお薦めする。

 というわけでなかなか面白かったのだが、巻末でシェヘラザードが言うには体調不良で20日間物語を語るのを休んだとのこと。あとで調べてみたら、確かに「若者ヌールと勇ましいフランク王女の物語」の中で日付が20日ほど飛んでいるところがある。うまく仕掛けてあるなあ。
.20 2013 世界の民話 comment0 trackback(-)

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