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完訳 千一夜物語 第8巻


 2010年に7巻まで読んで止まっていた「千一夜物語」。やっぱ続きも読まなきゃな、というわけで引っ張り出してきた第8巻。シェヘラザードの語りも500夜を超えてさらに弁舌爽やかというところだろうか。

 この巻には長短取り混ぜて9個のお話が語られているが、その中でも最注目なのは「ハサン・アル・バスリの冒険」という170ページほどの中編。美男で詩作にも優れたハサンの冒険の物語なのだが、これが語られる前に、この物語がいかにして伝わったかという前置きがあり、その額縁構造によってこれから語られるこの物語がいかに素晴らしいものかということが強調される。
 そうして語られる「ハサン・アル・バスリの冒険」は衣装を着ると空を飛んでいってしまう稀代の美女「耀い(かがよい)姫」を探し求めるハサンの物語なのだが、この自体が二転三転の面白さで、長さも気にならない。訳者が耀い姫の空をとぶ衣装のことを「羽衣」と訳しているためになんとなく日本の天女っぽい印象で読んでしまうが、はっきり耀い姫は鳥になって空を飛ぶと書いてあるので、だいぶイメージは違う。しかしハサンが彼女の衣装を隠すことによって彼女をつなぎとめてしまうという展開は羽衣伝説にかなり近いとは言える。世界中に似たような昔話があるというのはよく言われることだが、これもその一例か。もっともこの「ハサン・アル・バスリの冒険」は羽衣伝説の内容にとどまらずそれに前日譚、後日譚までつけて豪華にした感じだろうか。
 前半でハサンを助ける「薔薇の蕾」ら七人の姉妹と、耀い姫を追ってハサンが赴いたワク・ワク諸島の七姉妹が対になっていたり、物語構造が何気に緻密なところも面白い。
 ところでワク・ワク諸島ってどこだろう?地の果てにある7つの島からなる楽園のような島。やっぱあそこかな?あの島のことを昔のアラビア人が知ってたかどうかは怪しい所だけど。

 「カリーフと教主(カリーファ)の物語」はお馴染みの教主ハールーン・アル・ラシードがある日出会った漁師のカリーフに成り行きから弟子入りすることになるが、ちょうどその頃教主の愛妾「心の力」に嫉妬した正妻のセット・ゾバイダが、薬を飲ませ長椅子に押し込んで捨てるという事件が発生。そうとは知らず長椅子を手に入れたカリーフだったが…という物語。
 カリーフのキャラクターがなかなかいい。アル・ラシードを宮廷楽士の笛吹きだと思い込むあたりも楽しいし、百叩きの刑にあっても平気な頑強で下品な男なのだが、「心の力」と出合った途端に聡明で上品な男性に変貌を遂げるのが可笑しい。

 「黄色い若者の話」「女の策略」あたりはお馴染みのエロ小噺。「黄色い若者の話」なんかひどいもので、そんな父親居るかよ!と思ってしまう。

 というわけでかなり面白かった。だがこれまでに読んだ7冊のことも考え合わせると、どうしても似たようなシチュエーションのお話が多いのも確かなことで、続けて読むとどうしてもマンネリになってくる。次の巻もしばらく置いて読もうかな。
.07 2013 世界の民話 comment0 trackback(-)

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