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カルヴィーノ イタリア民話集(下)


 カルヴィーノ編纂によるイタリア民話集の下巻。上巻を読んだのが2010年の始めだったので、たっぷり三年半積んだままだったのを引っ張りだしてとうとう読んだ。

 この下巻には42篇の、南イタリアの民話が収められている。
 明らかに「眠れる森の美女」のヴァリアントである「眠れる美女と子どもたち」、「シンデレラ」のヴァリアントである「なつめ椰子・美しいなつめ椰子」をはじめとして、非常に多彩で楽しい作品集だ。
 で、まずこの2作なのだが、「眠れる美女と子どもたち」では眠れる美女が目を覚まして二人の子供の母親となるが、ここから先の悪魔のような継母に子供ともども命を狙われ、家来の機転で助かるというパターンは「白雪姫」を思い出させて面白い。「なつめ椰子・美しいなつめ椰子」はかなり「シンデレラ」と違い、末娘ニネッタは別に虐げられているわけではなく、舞踏会だって姉たちが一緒に行こうというのを断って椰子の精の魔法を行使するのである。家庭内での陰惨ないじめなどは南イタリアの空気になじまないということなのだろうか。

 これは私の漠然とした印象にすぎないのだけど、他の民話…たとえばペローの童話と比較すると、イタリアの民話は王族と民衆の垣根が低いような気がする。「最初に通りかかった男に嫁いだ王女たち」などは他の民話ではまずありえないシチュエーションの物語だ。ここでは王が死ぬ時に、王子に三人の姉を通りかかった男に嫁がせよと命じ、王子はそのとおりにして、結果姉婿たちに救われるという物語なのだが、ここには『民衆を尊重する王は民衆に救われる』という教訓が含まれている。
 陰惨な「黒人の骨」、王女が謂れなき苦しみに遭わされるがラストでは救われるというパターンの「エルバビアンカ」「蛇の王様」、宗教的な「十字架に食べ物をあげた少年」「ソロモンの忠告」などが印象深かった。

 巻末にそれぞれの作品に対してのカルヴィーノの解説があり、これはなかなか興味深い資料になっている。
また上巻と同じように、ハッピーエンドの物語のあとに「けれどもわたしは、相変わらずもとのままだ」のような結句があるものが多い。これはあくまでも「お話」で、わたしたちの身にはこんな奇跡なんて決して起こらないんだよ、とでも言うようだ。
.19 2013 世界の民話 comment0 trackback(-)

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