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サルトル 嘔吐


 哲学者サルトルの、唯一完成した小説。正直哲学小説は好きじゃないんだけど、古本屋で安く手に入ったので読んでみた。

 で、読むのに非常に難儀した。
 日記のような体裁で書かれたこの作品には、ラスト近くに至って「独学者」が図書館で起こした事件や、昔の恋人アニーとの再会などと言った出来事が起こる他にはほとんど小説らしい物語の動きはなく、ただただ主人公ロカンタンの心の動きを追ったものだといえる。ストーリーで読むとこんなにつまらない小説はないといってしまっていいだろう。そういう意味ではプルーストの「失われた時を求めて」とも似ているが、まだあっちのほうがストーリーが動いていたような気もする。

 ではこの小説はつまらなかったのか?いや、そんなことはない。
サルトルの唱える実存主義のなんたるかを知らなくても、この小説は孤独な現代人の心にグサッと来る何かを持っている。例えば164ページから168ページまでの4ページに渡る独白。短いセンテンスの文章を積み重ねて作り出すイメージはまるで言葉によるコラージュのようだ。
 222ページからかなりのページを費やして描かれるアニーとの再会のシーン。全く噛合わない会話が二人の強烈な孤独を浮き彫りにする。

 これは「ひきこもり小説」あるいは「ニート小説」である。心を病んだことのある、または病みそうになったことのある人、自分は社会にとって無価値なのではないかと思ったことのある人には共感できる部分があるはずだ。
 今を生きている人で、こういう思いに捉えられたことのない人はいないだろう。そういうことを思ったことがないという人がいるなら、それはよっぽどの幸せ者か愚か者のどちらかだろう。と言うことはこの作品は現代人が読むべき作品なのかもしれない。とはいえ難解な作品だし、作者の傲慢さに呆れる部分もあり万人向きではない作品だということに間違いないが、理解は出来なくても何か感じるところがある作品だと思う。
 ただ自分がなにを感じたのか、それさえも曖昧だ。要再読。
.02 2013 フランス文学 comment0 trackback(-)

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