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プルースト 失われた時を求めて 第2篇 花咲く乙女たちのかげにⅠ


 さて高遠弘美氏による新訳「失われた時を求めて」もようやく第3巻。
ほぼ同時に刊行がはじまった岩波版がすでに第5巻まで進んでいるのを考えるとなかなかのスローペースだ。

 今回は少年に成長した「私」が、スワン家の娘ジルベルトに恋をして、その恋が破れるまでを描いている。…と言ってしまえば本当にそれだけの内容を、なんだかくどくどと描いて立派にブンガクしてしまった恐るべき一冊である。

 プルーストといえば、『意識の流れ』に沿って小説を書いた作家として有名で、この作品でも筆者が過去を思い出して書いているという体裁を取っていて、所々で話が飛んだりする。なので当時の読者は面食らっただろうけど、現代のスレた読者はそんなことでは驚かない。この作品の評価は、スワン家のサロンで展開される、主人公も含めて鼻持ちならない人々のスノッブな物語を楽しく読めるかどうかにかかってくる。まあこんなこと書くと大抵の人はそんなの面白いわけ無いと思いそうだが、読んでみるとこれが結構面白いのだ。

 社交界の人間として未熟な「私」の感性は我々読者に近いメンタリティを持っている。なので彼がノルポワやベルゴットの一言に失望してみたり喜んだりするのには親近感があるし、ジルベルトとうまく行かなくなってからの、彼女の手紙が来るのを待つような、でも来ないほうがいいような気持ちとかそういう感覚が実によく描きこまれていて、物語としては起伏もなく平板な話なのに、決して退屈な読み物ではない。翻訳の力もあるのだろう。岩波版とちらちら見比べて見た限りでは、こちらのほうが圧倒的に読みやすい。
 ジルベルトよりもその母親オデットについて書かれていることのほうが多く、そのバランスがやや不思議にも思えるが、前巻同様当時の社交界のスノッブさを伝えて興味深い。

 ちなみに第2篇の副題にある「花咲く乙女たち」は次巻にて登場だとか。早く次の巻読みたい。
.01 2013 フランス文学 comment0 trackback(-)

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