スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

アルフォンス・ドーデ 風車小屋だより


 古本屋さんで文庫ながらハードカヴァーの旺文社特装版で発見。フランスの作家ドーデがプロヴァンスに住んで書いた、この地方に材をとった作品を集めた短編集。ビゼーの組曲で有名な「アルルの女」を含む全30作である。

 19世紀のフランスの田園生活が描かれたこの短編集は、「金の脳みそを持った男の話」のような民話っぽいものから、「老夫婦」のような作者自身の経験したちょっとした出来事までかなり幅広い内容の作品が収められていて、あまり統一感はないが多彩で楽しい作品集になっている。こういうお国柄が出た作品は基本好きなのだが、こういう作品の宿命だろうが、作品ごとの出来不出来の差は大きい。この作品集でいえば、最初の方に収められた作品は良作が多いのだが、後ろの方に収められた作品はいまいちな感じがする。

 個人的には「星」という作品が一番印象に残った。これは山の上で羊飼いの仕事をしている青年のもとに、2週間に一度小僧か婆さんが食料を送ってくれるのだが、その日はふたりともどうしても都合がつかず、かわりに憧れのお嬢さんがやってくる。ところが折からの雨で川が増水、お嬢さんは帰れなくなってしまい、青年の小屋で一夜を過ごすことになるのだが…というお話。まあ結論からいえば、なにが起こるわけでもなく全くなんという事もない話なのだが、なんとも言えない情趣が漂う好編だ。ついでに天文ファンとしては当時プロヴァンスでオリオン座を「三人の王」と呼んでいたのだと知ることもできる。まあでも夏にオリオンが見えるほど宵っ張りしちゃいけないね。

 そのほか私が面白かったのは産業革命の結果廃れてしまった風車での粉挽きにこだわった親方の物語「コルニーユ親方の秘密」、意地悪な下男が教会の主要ポストにつくが、騾馬は昔彼にイジメられたことを決して忘れてはいなかった、という「法皇の騾馬」。それに聖と俗のはざまで悩む僧侶の苦悩をユーモラスに描いた「ゴーシェ神父の養命酒」あたりだろうか。
 後に戯曲化されて有名な「アルルの女」はジプシーの女に恋をした男の悲しい物語だが、これは正直言ってありきたりな話だった。

 忙しい現代人にとってはなんだかほっとするような昔の田舎の物語。現在は廃刊のようだが、古書でなら岩波文庫版が比較的簡単に手に入りそうだ。
.11 2013 フランス文学 comment0 trackback(-)

comment

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。
    http://blog.livedoor.jp/piaa0117/

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2013年05月
  ├ カテゴリー
  |  └ フランス文学
  └ アルフォンス・ドーデ 風車小屋だより

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。