スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
.-- -- スポンサー広告 comment(-) trackback(-)

トーベ・ヤンソン 小さなトロールと大きな洪水


 トーベ・ヤンソンのムーミン・シリーズは8作あるが、これはそれらに先立って1945年に書かれたもので、100ページにも満たない短い作品である。

 ムーミンシリーズのいわば前史にあたるこの作品では、旅に出たっきりのパパを探して旅をするママとムーミントロールが、スニフと出会い、蛇に食われそうになったり嵐に遭ったりしながらパパと再会し、ムーミン谷に定住するまでを描いている。
 これを読んでまずあれっと思うのは、ムーミンたちが小人サイズだということだ。他の作品ではそういう記述はおろか印象さえないので、多分この作品だけで後の作品には適用されなかった設定なのだろう。

 チューリッパという花の精のような登場人物がいて途中までムーミンたちと行動を共にするが、これは従来のファンタジーの名残のようなキャラクターで、彼女は赤い髪の少年と出会うと途端に恋に落ちてしまい、ムーミンたちとは袂を分かち彼と暮らすことを選ぶ。これは「ムーミン」の物語が、ありきたりなファンタジーとの決別の上に成り立っていることを作者が宣言しているような気がしてならない。実際、この後の作品には、チューリッパみたいな単純なキャラクターはただの一人も出てこない。
 作品としては「習作」の域を出ない。作品としての面白さ、完成度の高さという点ではシリーズの他の作品に比べようもない。資料的な意味のほうが大きいと思われるような作品である。だからムーミンシリーズが大好きな人以外には正直言って勧められない。

 この本、巻末の解説が極めて詳細で、シリーズ全体を俯瞰しての分析までなされており、ここまでやられてしまうと私なんかがブログでなにか言う余地さえないような気がしてしまう。
 ああそういえば、ムーミンシリーズまだ最後の2作読んでないなあ…
.18 2013 その他欧州文学 comment0 trackback(-)

comment

post comment

  • URL
  • comment

  • password
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

piaa

  • Author:piaa
  • Livedoorへ移転しましたので、そちらでお願いします。

    こちらのブログへのコメントはLivedoorに転載しますが、定期的にチェックしないので相当遅くなることもあります。

ブログナビ

P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ --年--月
  ├ カテゴリー
  |  └ スポンサー広告
  └ スポンサーサイト
P&M_Blog
 トップページ
  ├ 月別アーカイブ
  |  └ 2013年04月
  ├ カテゴリー
  |  └ その他欧州文学
  └ トーベ・ヤンソン 小さなトロールと大きな洪水

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

月別アーカイブ

カウンター

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。