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ペロー童話集


 フランスの詩人シャルル・ペロー。だが少なくとも日本では、彼の名は本来の詩人としてではなくこの「童話集」を編んだ事によって知られている。17世紀末に書かれたこの作品集は、世界初の「児童文学」であり、有名なグリムによる童話集や「マザー・グース」にも先立つものである。

 この作品集には、誰でも知っている昔話がたくさん収録されている。「眠れる森の美女」、「赤ずきん」、「長靴を履いた猫」、そして「シンデレラ」。しかし、一部の作品は結末が全然違ったりもするのだ。

 たとえば「赤ずきん」。皆さんが知っているのは狼に食べられた後、猟師がオオカミの腹を裂いて救出されるというものだと思う。これはグリムが書いた「ハッピーエンド版」なのだ。それに対してペローの「赤ずきん」は狼に食われた所で終わりなのだ。これには私も正直驚いてしまった。
 グリムよりも100年以上前に書かれたペローのバージョンは、恐らく元の民話に近いものなのだろう。ウィキペディアによるとグリムへの『赤ずきんの話の提供者は、ヘッセン選帝侯国に属する高級官僚の娘たちである。良家の子女である彼女たちは、もちろん読み書きを習得していただろう。したがって、彼女たちがペローの童話を読んでいた可能性は充分ある。』と言うことで、グリムが間接的にペローの作品を下敷きにしていたと思われるわけだ。

 また「眠れる森の美女」には、100年の眠りから目覚めた後王子と結婚した後の物語が語られる。王子の母は人喰いで、王女とその二人の子供を食おうとするというものだ。この後日譚があるバージョンは初めて読んだが、正直言ってこのエピソードはあまり座りが良くない。後のグリムではばっさりカットされているのも当然だろう。

 それぞれの作品の末尾に「教訓」が添えられているが、これもペローのオリジナルで、この「教訓」がなかなかひねりが効いてて面白い。特に「青髭」の「もうひとつの教訓」にはニヤリとさせられること請け合い。

 ペローは後年の研究者とは違い、民話を学術的に編纂しようという意図があったわけではなく、ただ単に民話を読みやすい形に仕立てただけだ。なので当世風にアレンジしてあるし、それぞれの物語の出処を示したりもしていない。それでもそれまでは口伝えに語られてきただけだった民話がちゃんとした形でまとめられたのだから、その価値は極めて大きい。
 他にも散文で書かれた作品が収録されている。「グリセリディス」は夫に試される妻を描いた作品で千一夜物語風、「ろばの皮」はどっかで聞いたような話だと思ったらカトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画「ロバと王女」の原作だった。
 というわけで、民話の学術的側面からも興味深い作品だが、ただ普通に民話・童話として読んでも十分面白い一冊だと思う。
.05 2013 世界の民話 comment0 trackback(-)

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