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久生十蘭 十蘭万華鏡


 河出文庫から久生十蘭の短編集が何冊か出ているが、これはその中の2冊め。
「三笠の月」という作品を除いて、恐らく意図的に時代物を外したのだろう、執筆当時の現代(昭和時代初頭)が舞台の小説が集められている。

 現代物中心ということで、前回読んだ「久生十蘭ジュラネスク」に比べると収録作品の雰囲気に統一感があり、この作家を語る時によく出てくるキャッチフレーズである「レトロモダン」という言葉に見事にぴったり嵌る作品が並んでいて読みやすい。
 どの作品もスタイリッシュでひねりが効いてて鋭く、面白い。パリに暮らす日本人のモダンガール三人をユーモラスに描く「花束町一番地」から大竜巻に巻き込まれる飛行機のパイロットの大騒動を描く「大竜巻」、少年兵の悲劇を淡々と描く「少年」、死者との交流を描いてなんとも言えない雰囲気をたたえた「雲の小径」、そして山岳小説としての片鱗を見せる「一ノ倉沢」…描かれているシチュエーションの多彩さには舌を巻く。
 「天国の登り口」と「川波」は第二次大戦が背景の物語で、いずれも唐突にやってくる悲劇的な結末が衝撃的。

 いつも言っていることだが、この作家の作品については面白さをうまく説明できない。とにかく読んで欲しいとしか言いようがない。ちなみにこの「万華鏡」は作品の並べ方もいいし非常に読みやすく粒揃いの、レベルの高い作品集だが、最初に述べたように時代物がほとんど収録されていない。この作家にとって時代物が結構大きなウエイトを占めている事を、初めてこの作家をこの作品集で読む方にはぜひ知っていて欲しいと思う。
.02 2013 日本文学 comment2 trackback(-)

comment

piaaさんのレビューを読んでからずっと気になっていた久生十蘭。
すごくおもしろかったです!
先入観で食わず嫌いしてて、ホントに損しました(笑)。

あまりにも作風や題材がいろいろで感想を書きにくいのですが、ひさびさに読んだ満足感のある1冊でした。
他の本も探してみます。

2013.09.22 00:25 | URL | vogel #9JN9NMwM [edit]
vogelさんこんばんわ。
十蘭、とうとうお読みになりましたか。

>あまりにも作風や題材がいろいろで感想を書きにくい

全くその通りです。レヴュアー泣かせの作家ですね。
どれを読んでもクールな切れ味の短編で、同時代のどの作家にも似てない独特の空気感がありますよね。

この作家、最近国書刊行会が全集を刊行していて、それがきっかけで再評価されているようです。
今は結構たくさん文庫化もされているし、kindleでも結構無料で読めるようです。
2013.09.22 22:34 | URL | piaa #- [edit]

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