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ゴーリキー どん底


 ロシアの作家、ゴーリキーの傑作戯曲。黒澤明の映画化作品も有名。
なのだが、実はこれ読むのは2度め。一昨年の秋だったかに読んだのだが、今ひとつピンとこなくてブログでも取り上げてなかった。

 まず、文庫本で160ページ程度と、ごく一般的な分量の戯曲なのだが、登場人物が非常に多い。いや、登場人物は17~8人と決して多くはないのだが、この戯曲では明らかな主役がいない。普通なら主役、準主役、脇役とそれぞれの登場人物の重み付けが違っているのだろうが、この戯曲では登場人物全員の比重が戯曲全体に占める割合がさほどに違わない。いうなればそれぞれに結構重要人物なのだ。このため非常に読みにくい。名前と役回り(登場人物の職業や、誰が誰と夫婦で、。誰と誰が恋人かとか)が、ロシア人の名前が覚えられないこともあって本を読んでいる上で、非常にわかりにくい。
 なのでこれは舞台とか映画ではっきりとしたビジュアルを伴って見るべき芝居なのだと思う。

 まあその読みにくさと格闘しながらも読んでいくと、これは貧民窟のような場所で暮らす人々の物語で、彼らのどん底生活を生き生きと描き出すのだが、その中で異彩を放つのがさすらいの老人、ルカの存在だ。彼はどん底の皆に宗教的な光を当てようとする。だが、皆はルカの言葉に惹かれながらも、口には出さないが『それは理想論だ』と思っている。そして実際、どん底の皆のいさかいの前ではルカの言葉など全くの無力である。
 この作品は1902年に出版されているのだからロシア革命の前に書かれているわけだけど、帝政ロシア時代の庶民の悲惨な暮らしを今に伝える貴重な作品である。
 ルカの描かれ方は宗教の無力を示すものであり、のちにソビエト連邦が宗教を禁止したのはこの作品のように貧困の前では宗教が無力であることをロシア人たちは思い知らされたからだと納得させられる。

 しかしこの貧困をはねのけようと鳴り物入りで始まったソビエトの共産主義も、結果的には人々の豊かさを作り出すことには失敗してしまうわけで、逆にさらにこの戯曲をエキスパンドしたような状況を創りだしてしまうのだ。
.03 2013 東欧・ロシア文学 comment0 trackback(-)

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