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シーブーラパー 罪との闘い


 タイ文学の代表的な作家であるシーブーラパーの中短編を収めた一冊。大同生命国際文化基金という団体が出している「アジアの現代文芸」シリーズの中の一冊。古本屋さんで100円だったので買ってきた。

 タイといえば最近は結構タイ料理にはまっていて、そう言う意味でも身近に感じることが多い国なのだが、さて文学というと全くピンと来ないというか知らない。以前このブログで紹介したラッタウット・ラープチャルーンサップもタイの作家ではあるのだが、彼の場合は実際にはほとんどタイに住んだことはないようだ。

 シーブーラパーは1974年に亡くなっているので、今から言えばふた世代ほど前の作家ということになる。
 ここに収められた表題作「罪との闘い」は1934年の作品。日本で言うところの「戦前」の作品であるわけで、その頃のタイを取り巻く世界情勢が全くわからないのだけど、この作品の場合は基本家庭劇に終始するのでそのへんはあまり気にしなくてもいいだろう。
 伯爵家の子息である真面目な兄マナットと奔放な弟マヌーン。マヌーンはいつもマナットや父に叱られているのだが、恋人ワンペンのために真面目になろうと努力するが、その矢先マナットとワンペンの結婚話が持ち上がる。そんな折マナットは下女であるジェンが自分の子を妊娠していることを知る。伯爵の追及にマナットを守りたい一心のジェンは、お腹の子の父親はマヌーンだと告白する。
 …とあらすじを書くと、ちょっと昔の小説や映画あたりによくありそうなかなりベタなものに聞こえるが、まあ実際かなりベタな物語。ただ登場人物がみななかなか高潔な人物なのでドロドロっぽいストーリーの割には読みやすい。マナットやマヌーンがまじめに人生の意義とか考えているのがいかにも古臭い文学風。タイの風土的なものはほとんど表に出てこないので、そのまま日本とか別の国の話にしても通る。そういえばなんとなくインド映画の映像を連想させる印象もある。そう言う意味では普遍的な内容を扱ったものと言えるかもしれない。

 一方で、巻頭に収められた「また会う日まで」という作品は1950年の作品。作者自身オーストラリアに留学していたことがあるらしいのだが、その経験からか、タイ出身の青年と出会ったオーストラリア女性の目線で、彼が語るタイの抱える問題を考えていく。
 正直小説としての面白みはゼロだが、タイという国をもっといいものにしたいという気持ちが強烈ににじみ出ている作品だ。

 シーブーラパーは、タイの人々を啓蒙しようという意識が強い作家だったのだろう。ましてや60年以上も前の作品だ。今我々が読んでも正直あまりピンと来ない。もっと近代・現代の作品を読みたいな。
.08 2012 アジア・アフリカ文学 comment0 trackback(-)

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