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うえむらちか 灯籠


 ハヤカワ文庫の新刊で出ていた作品。著者のうえむらちか氏は女優さんなのだそうだが、全く知らなかった。
普通だったら『女優さんが書いた小説』なんて触れ込みだけでスルーするところだが、片山若子さんがカヴァーを描いているとなると…片山ファンの私にとっては、もうそれだけで買わずにはおれない。

 交通事故で両親を亡くした広島県在住の少女、灯(ともり)は、初盆に広島県のお盆の風物である灯籠を持って両親のお墓を訪ね、そこで正造という青年と知り合う。友人になった二人は毎年お盆の4日間だけそこで会うようになる。やがて年月は流れ、小学生だった灯は高校生に。正造への恋心を自覚し始めた灯の前に、孤独な同級生、清水が現れる。

 という感じの、まあ正直ありふれた幽霊譚である。そりゃ先日読んだ梨木香歩とかには遠くおよばないけど文章も決して下手ではないが、素晴らしいと手放しで褒めるほどのものでもない。物語自体はかなりベタな展開で特に見るべきものはないのだ。第1話は。
 第2話は、第1話から数年後、清水の視点で書かれている。これがなかなか巧みに描かれていて、読者はラストではちょっとした…いやけっこう大きな…衝撃を受ける。で、読み返してみると、はじめからそれであっても矛盾しないように書いてあることに気づいて、この作品が実はかなり巧みに書かれていたことに驚かされるのだ。

 というわけで正直期待を大幅に上回る作品だった。夏の軽い読み物としてお勧め。アニメ化したら良さそうだ。片山若子さんのカヴァーをそのまま活かしたキャラデザインで、監督は新海誠氏だったら素晴らしい作品になるのでは。
 これだけ巧みな作品が書けるのならば、著者は文筆活動に専念してもいいのではないだろうか。女優さんとして売れてるんなら別だけど。
 ただ、巻末に著者自身が描いたらしい灯と正造らしき少女と青年のカットがあるんだけど、あれは余計だった。
片山若子さんのカヴァーのなんとも言えない雰囲気がこの作品とシンクロしてただけに、そのイメージがマンガっぽい絵でぶち壊しになってしまった。
.30 2012 日本文学 comment0 trackback(-)

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