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マシャード・デ・アシス ブラス・クーバスの死後の回想


 ブラジルの作家マシャード・デ・アシスの、知る人ぞ知る怪作。今回光文社新訳文庫から出た…のはいいのだが、文庫で1314円(税別)というのはかなり高いなあ。

 この作品はタイトル通り、ブラス・クーバスという男が死んだ後、自分の人生を省みて書いた自叙伝という形のものなのだが、このブラス・クーバスという男、有名人でもなければ、なにか大きな事を成し遂げたわけでもない。結婚すらしていない。彼のしたことといえば若い頃に女性を弄んで捨てたことと、成人してからは友人の妻と長年にわたって不倫関係を続けた事ぐらいである。

 その、さして事件も起きない、単調とも思えるブラス・クーバスの人生を延々と描いて文庫で500ページに達するかなり長い作品だが、それが160章もの章立てに細分されている。1章あたり数ページ、場合によっては数行という長さなので、量的には決して読みにくい作品ではない。大した事件は起こらず、極めて小市民的な内容ながらその中には世間を斜めに見たようなひねくれたブラス・クーバスの独自の見解が述べられていたりして侮れない。ヴィルジリアとの不倫をめぐる物語に友人キンカスの哲学「ウマニチズモ」などを絡めて、読み込むとかなり深い部分もありそうな作品だ。
 ブラス・クーバスの語り口はかなり独特で、「この章は削除したほうが良かったかも」とうそぶいてみたりとか、重要なことを書かずに済ませたりとか人を食った記述も頻出。そのへんを楽しめるかどうかでこの作品の評価は大きく違って来るのではないだろうか。

 「深い部分」については訳者の武田千香氏が巻末の解説で詳しく述べていらっしゃるのだが、そういう事を考えながら読むのは2回目に読む時でよさそう。少なくとも初めは色々考えずに読んだほうがいいだろう。
 どこがどう面白いか説明しろと言われると困ってしまう作品だ。私はとても面白く読んだが、全然ダメな人もいるだろうな。
.21 2012 中・南米文学 comment0 trackback(-)

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