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宇宙戦艦ヤマト2199 第1巻


 往年の大ヒットアニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメイク作品。全26回の予定だがTV放送ではなく、劇場及びメディア発売のみで公開という「ガンダムUC」と同じやり方である。今回BD/DVD第1巻が発売されたので観た。

 いや~、これはよく出来ている。シャープで切れの良い精密な映像と緻密なサウンドデザインで、40年前の古臭いアニメが現代に蘇った。私の大嫌いな松本色も薄まり、ついでに西崎氏も亡くなった今、ヤマトはやっとまともな感覚を持つクリエーターの手に渡ったのだ。その結果第2話(ヤマトの発進)まで観ただけでも、いろんな面で修正がなされていて物語はリアルになっている。
 私が旧作の「ヤマト」があまり好きではない理由は私の大嫌いな松本零士氏が関わっているからというだけではなく、あまりにもご都合主義的な展開もあるし、なによりも松本・西崎両氏の思想的なものが滲みだした右翼的、独善的な方向性が気に入らなかったのだが、今回のリメイクはそういった松本的・西崎的な要素が中和されることが期待できるのものに仕上がっていると思う。主人公たち、特に古代と島の性格がかなり変わっていて、熱血野郎だった古代が真面目な青年に、真面目野郎だった島がチャラ男になっている点も新鮮で面白い。

 とはいえ原作が原作なのでいろんな面で無茶もあるわけだ。これはいわゆる「SFアニメ」なわけだが、「宇宙ファン」である私に言わせれば「SFなんて嘘ばっかり」ということの見本みたいな作品である、という側面も否定できない。

 冒頭の「め号作戦」は私に言わせれば呆れ返るデタラメぶりだ。地球艦隊はイスカンダルからの使者が来訪し重要なデバイスを持参するので、それをガミラスに悟られない・奪われないためにガミラスの太陽系での本拠地のある冥王星に全戦力を差し向ける。そこでガミラス艦隊と地球艦隊との間で艦隊戦が展開されるのだが、この戦闘が滅茶苦茶。地球艦隊は沖田司令の乗艦、旗艦「きりしま」を先頭に整列して、同じく整列したガミラス艦隊と撃ち合うのだ。おいおい、それって一体いつの時代の海戦だよ。
 戦闘が始まる直前に「きりしま」艦内でオペレーターが「距離7500」という声が聞こえ、沖田の立つブリッジの窓からガミラス艦隊の船影が見える。敵艦隊までの距離が7500キロなら艦影が見えるはずないから7500メートルってことだと思われる。それぞれが最低でも秒速数十kmのスピードで飛んでいるだろう宇宙ではとんでもなく危険な距離だし、7500メートルよりもさらに接近しないと攻撃できない宇宙戦艦に何の存在意義があるんだろうか。
 「きりしま」はこの作戦後3週間で冥王星付近から火星に戻っている。40AUを20日で飛んだとすると、これは「きりしま」が平均秒速約3500km、光速の約1%以上のスピードで航行した事を示している。それだけのスピードが出るという事は相当の加速力があるはずで、ちょっと転舵して加速したら、7500メートルの距離は一瞬で埋まるだろう。ガミラス艦がいかに高性能でも回避運動すら取れないに違いない。それなのに7500メートルまで接近しても「まだだ!」とか言ってガミラス艦隊と戦闘するのはありえない。
 これだけのスピードが出ながらその至近距離で撃ち合うというのは、高速道路で時速100km以上で並走しながら刃物で斬りつけ合うようなものだ。車ならちょっとハンドルを切りそこなえば激突必至である。宇宙艦隊の場合も細心の注意を払って艦を操らなければ戦闘そのものが不可能である。そこまでして戦闘する意義があるだろうか。
 旧作では距離の単位が「宇宙キロ」、速度の単位が「宇宙ノット」という独自の単位だった。このため、艦隊戦を行なっていても実際の距離はわからず、「実際には数千kmとかのレンジで戦っているのだ。窓から敵艦が見えてもそれは演出だろう」と思い込むことができたが、今回は単位が普通の「km」になっているのでそういうごまかしもきかない。

 さらにイスカンダル船が出現すると、オペレーター氏曰く、「海王星通過!10分で火星に到着します」って!それって光速より何十倍も速い。断続的にワープでもしているなら話は別だが。もしそうなら観測できっこない。もちろんいかなガミラス艦隊でも捕捉・撃墜できっこない。「め号作戦」自体無駄ってことにならないか。

 第2話では、ガミラス冥王星基地から発射された巨大ミサイルがヤマトに迫る。これって多分、冥王星基地から地球まで1日程度で到達している。これは相当な速度で、打ち上げから地球到達までの正確な時間がわからないので大雑把にまる1日だと仮定して考えても1/3光速程度出ていると思われる。しかもこのミサイルのデカさは旧作の比ではなく、戦艦数十隻分の質量がありそうだ。こんなのが光速の1/3のスピードで地球に落ちたら、ヤマトとか地下都市とかどころか地球自体が危ないような気もしないでもない。

 そんなこんなでやっぱりSFとしては滅茶苦茶なわけだけど、それでも作品自体は面白い。だから次が観たいことにはかわりはない。
 森雪がスターシャの妹ユリーシャではないかという噂もあるそうだ。リアルに考えれば古代守が生きているわけないし、イスカンダル星での兄弟再会はないだろう。そのかわりのサプライズにする意味でもアリかな。あと真田さんがなにかを後生大事にヤマトに積み込んでいるところが描写されていたが、あれってサーシャの棺? もしそうならなんでそんなものを?…というわけで先がどうなるのか楽しみだ。って大分先が長そうだけど。
.02 2012 アニメ comment4 trackback(-)

comment

野暮な突っ込みとは解っているのですが、これに限らず例えばStarTrek等でも宇宙戦の描写や速度、距離の数値等は色々変なところが多いですよね。もし現実に宇宙での艦隊戦が行われる場合には、現在の海でのそれとはまったく異なる戦術になると思います。

個人的にStarTrek等で気になるのは、技術由来が違う異星の宇宙船同士の追いかけっこシーンで、どちらもフルスピードで目視距離で追いつけもしなければ引き離せもしない状態がしばしば起こる事です。ワープにしろ亜光速にしろ、両者の最高速度に差がわずかでもあれば、相対速度の大きさがそんなに小さい事が起こる可能性はほとんどありえないと思うのですが。
2012.06.08 22:11 | URL | X^2 #CypyILE6 [edit]
まったくですね。
ワープの場合は、それ自体荒唐無稽なものだし、たとえばお互いの空間が干渉してスピード差がなくなるとかなんとか言ってこじつけられそうな気がします。

>もし現実に宇宙での艦隊戦が行われる場合には、現在の海でのそれとはまったく異なる戦術になる

そうなんですよね。大抵のアニメファンはそれがわかってない。
そもそも艦隊が並列して大砲撃ち合うとか19世紀、日露戦争のころの海戦のやりかたですよね。第二次大戦でもそんな海戦なかったのでは?
2012.06.08 23:16 | URL | piaa #- [edit]
あえて書きますが…
野望な突っ込みは、読んでて辟易しますぜ(-"-;)
2012.06.15 18:58 | URL | NEK #- [edit]
あらら、お気に触ったらすみません。
辟易しながらも読んでいただいてありがとうございます。
これは私の個人的な頭の体操みたいなものですから、どうぞお気になさらずに。
このアニメがよくできていて、とても面白いことは全く否定しません。
2012.06.15 22:45 | URL | piaa #- [edit]

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