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J-POPの危機とキマグレン


 ここ数年で、J-POPは衰退の一路をたどっている。本当に「これはいいね」と思える歌手やバンドに出会うことも以前と比較して激減した。私がブログを始めてからいいなと思えたのは「いきものがかり」「perfume」くらいだろうか。
 いずれも私が記事にした後でブレイクして一時は国民的な支持を受けるほどのグループになったが、売らんかなの姿勢が仇になったか最近はすっかりつまらなくなった。個人的には、もはやこの2つのグループについては新曲さえ聴きたいと思わなくなった。
 で、私がこのブログを始めてから知った中でもう一ついいなと思ったアーティストで、その後もずっと好きな唯一のJ-POPアーティストがこの「キマグレン」である。

 現在J-POPは危機的な状況にある。最近のヒットチャートを見ると、AKBとその派生グループや、最近異常な盛り上がりを見せているももクロ、定番のジャニーズといったアイドル勢、アニメ(主題歌及び声優)系、それにK-POPばかりである。ほんとうの意味でアーティストっぽいものはほとんどない。AKBやももクロなどは1年以上前の旧作までランクインしているし、私が時々チェックしているCS放送(『M on TV!』など)のヒットチャートは、新しいアーティストを見つけたいと思う私の観点から言えば、もはや全く意味をなしていない。
 もっともこのヒットチャート自体基準が明確でなく、オリコンのチャートに全く見当たらないK-POPアーティストが上位にランクされていたりかなり恣意的なものであるような印象はあるのだが…

 ではなぜそれほどにJ-POPは衰退したのだろうか。たとえば「いきものがかり」。私はメジャーデビュー直後から彼らに注目してきた。
 アルバムで言えばデビュー1年後のリリースになったファーストの「桜咲く街物語」のころは、まだほとんど売れてなくて、セカンドの「ライフアルバム」あたりから注目されはじめ、サードの「My Song Your Song」あたりでは国民的バンドに。しかし作品の内容的にはこのサードアルバムから陰りが見えはじめる。4枚目の「ハジマリノウタ」は曲の良さでなんとか踏みとどまったものの、今年初めにリリースされた5枚目「NEWTRAL」は、私の中ではこのグループを墓場に突き落とした終焉作となった。
 彼らの凋落ぶりにJ-POPの衰退の原因が見え隠れしている。それは売れたら最後売れ続けなければならず、立ち止まることも許されない日本の音楽産業のセールス第一主義が、ひいては作品のクオリティを下げていき、以前売れた曲と似たような作品を連発することになり、結局はリスナーに飽きられてしまうという悪循環を繰り返しているのだ。
 青田買いも深刻だ。まだまだ未成熟なアーティストをデビューさせてしまい、売れなければ切り捨て、売れてしまうと絢香みたいにすり減るまで歌わせる。
 洋楽、特にアメリカではアルバムを毎年出すというのはほとんど考えられない。J-POPアーティストは年一回のアルバムリリースで消耗し、充電期間も与えられないまま数年で才能が枯渇してしまうのだ。

 それでも次々と有望な新人が現れるのならJ-POP界全体が衰退することはない。だが今はAKBという巨大なアイドルグループが不動の人気とあくどい売り方でセールスのパイを奪ってしまっている。結果青田買いの新人もセールスを伸ばせないまま消えていくのだ。どんな業界でも一人勝ちは市場から活気を奪う。AKBは、少なくとも現在は音楽産業という業界全体を破壊してしまうパワーを持っている。

kimagurenn_2.jpg

 さてそこでキマグレンなのだが、彼らは逗子市出身のKUREIとISEKIという男性二人組ユニットで、自身が運営する夏限定の海の家(というかライブハウス)「音霊」に出演するために結成したバンド。
 全体にからりと爽やかな夏限定サウンドのアーティストで、この成り立ちからも想像できるかなりアマチュアっぽいナチュラルで飾り気のない音楽がこの人たちの魅力である。2008年にメジャーデビュー、いきなりシングル「LIFE」がヒット、ファーストアルバム「ZUSHI」は30万枚を超えるヒットになったとか。2009年には「空☓少年」、2010年には「Alive」、昨年は「Love+Life+Local」とこれまで4枚のアルバムを出している。正直言ってバカ売れしたファースト以降はあまり話題になっていないが、コアなファンの心をしっかり掴んでしまっていると言っていいだろう。セールスはファースト以降徐々に下がっているのだろうが、作品の内容的には全くクオリティは落ちていない。私見ではアルバムとしての構成は「Alive」が一番いいと思うし、アルバム全体のまとまりとしてはやや落ちるものの「Love+Life+Local」にも「向日葵に恋をした」などの素晴らしい作品が含まれている。我が家ではこの4枚のアルバムはすでに夏の定番となっており、暑くなってきた今月初め頃から早くもヘビロテ状態である。

 アルバムを聴いてて思うのだがこの人たちの作品、ラブソング率が低い。30%くらいだろうか。では他の曲で何を歌っているのかというと、同性の友人のことだったり、家族のことだったり、ただだた夏が来るのを喜んだり、夏が去るのを寂しがったりと、とても身近な内容の歌が多い。いきものがかりも最近はラブソング率が非常に低くなっているが、最近のいきものがかりの作品になんとなく説教臭さというか上から目線なものを感じるのに比べると、キマグレンの作品にはそんなところは微塵もなく、素直に共感できる。
 ラブソングも恋のはじめのワクワク感を全面に出した明るくてポジティブなものが多く、西野カナに代表される粘着な感じとは全く無縁。一方で非常に詩的なバラード曲などもあり、従来の夏限定バンド(TUBEとか)に比べると曲の引き出しは非常に多い。歌詞も非常に良くできているものが多く、どれを聴いても若い人には憧れを、年配の人にはノスタルジーを与えるだろう。私はこの人たちの曲を聴きながら、ああ自分にもこんな夏があったなあと懐かしく思う。

 この人たちの作品の一番の美点は、曲作りからすべて、とても楽しんでやっていることが音楽を透かして見えてくることだ。これは私の勝手な想像にすぎないが、彼らのなかでは「音霊」を成功させることが第1であって、「キマグレン」の活動はその次なのではないだろうか。その分売らねばというプレッシャーが他よりも軽く、作品にもいい影響を与えているのではないかと思ってしまう。そう考えると今J-POPに足りないものがこの人たちの作品の中にはすべてあるのではないかと思う。

 そしてこれは逆説的かもしれないが、この人たちの良さは極端に売れてないからこそ保たれているのではないだろうか。「売れているアーティスト」がJ-POPをダメにしているだけなのかもしれない。日本文学の最良の部分がベストセラーにはないように、J-POPの最良の部分はヒットチャートにはないのではないだろうか。

 それにしても残念なのは、意外と若い人たちに知名度が低いこと。ぜひ聴いてほしい。夏の定番になるはずである。でも上のような理由であんまり売れてほしくない気もするわけで・・・
.30 2012 J-POP comment0 trackback(-)

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