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ジョヴァンニ・ヴェルガ カヴァレリーア・ルスティカーナ


 マスカーニのオペラで有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ」。甘美なメロディで広く親しまれているイタリア・オペラの名作だが、そのストーリーは決して甘美なものではない。そのストーリーの部分を味わうべく原作であるヴェルガの短篇集を読んでみた。

 正直読むまでは民話集みたいな軽いノリの物を予想していたのだが、とんでもない。
 いわゆる「ヴェリズモ(真実主義)」の作家であるヴェルガの作品は、どれも当時貧困にあえいでいたシチリアの人々の暮らしを研ぎ澄まされたタッチで描いたもので、読んでいて辛くなるような作品ばかりである。表題作「カヴァレリーア・ルスティカーナ」は10ページ強の短い作品で、筋立てはオペラとほとんど違いはないのだが、当然ながら甘いメロディのアリアも間奏曲もない分この作品の極めて厳しい、酷薄な内容が浮かび上がる。

 その他の11作もすべてかなり独特な厳しい内容の作品ばかりが並んでいる。「羊飼いイエーリ」はこの作品集の中では比較的長い作品だが、少年だったイエーリが、長じていくうちにいくつもの悲惨に出会い、ついにはなにゆえ自分の人生をぶち壊しにしたのかが極めて簡潔な文章で語られる。そこには感傷の入る隙はない。小地主たちに対する不満が爆発し小地主たちブルジョワ層を惨殺に及ぶという「自由」での残酷さと虚しさ、さらに巻末に置かれた「ネッダ」もその悲惨さに目を背けたくなるような作品である。

 正直言って読んで楽しいような作品ではない。世界というものはこんなにも醜く悲惨なものなのだということを思い知らされる。これは昔の話なのだが、シチリアではもうこんなことはないにしても、今でも世界のそこここにこの作品のような悲惨が転がっているはずだ。そういう意味で考えさせられる一冊だった。
.16 2012 イタリア文学 comment0 trackback(-)

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