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Bruno Walter conducts Mahler


 今年没後50年のワルターが、最晩年の50年代から60年代初頭かけて自身の師であったマーラーの作品を指揮してコロンビアレコード(現在のソニーレコード)に録音したものをまとめた7枚組。いずれの録音も人類の偉大な遺産のひとつであると言っても過言ではない。これが限定版とはいえ2000円ほどで手に入るのだからすごい時代になったものだ。

 ワルターは1962年に亡くなっているから、最晩年の4年ほどの間に当時最先端だったステレオ録音を遺している。ここでも第1、第2、第9、そして「大地の歌」がステレオ録音で、今聴いても必要十分な音質。残る第4、第5はモノラルだが、特に第5はワルター唯一の録音で貴重なものだ。

 特に第一交響曲は名盤の誉れ高いもので、中学生だった私が初めてマーラーに触れたのもこの録音であった。この作品のこの演奏の持つただならぬ美しさには衝撃を受けた。ここで触れた「美」がわたしの人生全体に与えた影響ははかりしれない。その後バーンスタイン(3種)、、ショルティ、テンシュテット、アバド・・・などなど他の演奏者の演奏も随分聴いたが、ワルター指揮コロンビア交響楽団、1961年録音のこの演奏のすばらしさの前ではどんな演奏も色褪せてしまう。独特のノスタルジー溢れる柔らかい音色で「さすらう若人の歌」の「野の道を歩けば」と同じ旋律の第1主題が流れだすと、もうそれだけで聴いている者をオーストリアの森へ連れていってしまう。この交響曲にはまさしく至福の時間が流れている。
 ちなみにこの七枚組には、第一交響曲の1954年録音のモノラルバージョンも収録されている。こちらはややテンポが早く、1961年盤ほどの美しさや深みこそないが、キビキビした好演。私のような思い入れがなければ、こちらを好まれる方もいるだろう。

 第五交響曲は極めて速いテンポで進んでいく。手元のバーンスタイン/ウィーン・フィル盤が75分あるのに対してこちらのワルター/ニューヨーク・フィルは60分。まあバーンスタイン盤は総じてテンポは遅いのだが、特に有名な第4楽章アダージェットはバーンスタインが11:13に対してワルターは7:36ととんでもなく快速でアダージェットどころかアレグレットくらいのテンポだ。ところがここで聴く音楽の特徴はテンポが早いことよりも、そのフレージングの素直さにある。最近のマーラー演奏は良くも悪くも感情たっぷりに思い切りテンポを揺らして粘っこい物が多いが、ワルターの演奏はそんな粘りなど全く感じさせずテンポを守り、結果さらりとした手触りの演奏である。それでいてマーラー独特のカラーは強烈に出ていて、美しいだけのカラヤンの演奏とは深みが全く違う。これは第二交響曲や第九交響曲を聴いても同じように思う。作品に没入して強烈な感情をぶつけるバーンスタインの演奏とも対局にある演奏だと言える。一見楽譜通りにさらりと演奏しているように見えて、実は誰にもできない名人芸的な演奏なのだ。
 マーラーの愛弟子であったワルターがこういう演奏をしているのだから、実はマーラー自身も、自作を意外とさらりと演奏していたのかもしれないなどと思ったりもする。

 第四交響曲は残念。第三楽章までは素晴らしいのだが、終楽章で歌うデシ・ハルバンという歌手があまりにもヘタクソなのだ。いやヘタクソなのではなくて録音状態が悪かっただけなのかもしれないが、音程が恐ろしく不安で聴いていられない。ワルターが亡くならなければコロンビア交響楽団とステレオで録音し直すことになっていたらしく、それは返す返すも残念だった。

 とはいえ、こうやって現代でも十分鑑賞に耐える音質で演奏を遺してくれたワルターと当時のコロンビアレコードにはほんとうに感謝したい。もう一つ六枚組のモーツァルト集も購入したので、こちらも後日紹介したい。
.17 2012 クラシック音楽 comment1 trackback(-)

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私はデスティニ_ズチャイルドがとても好きです 元コーガニズムオーケストラのドラムです今はモデルタレントめちゃくちゃ忙しく大変です。明日150億持ってラスベガス1日行ってきます。中村勇です さようなら
2012.05.13 17:34 | URL | 3go #- [edit]

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