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黒いオルフェ


Orfeu Negro 1959年 仏・ブラジル
監督:マルセル・カミュ
出演:ブレノ・メロ、マルペッサ・ドーン

 毎年春先はアカデミー賞特集とかで往年の名画が放送されることが多いが、そんななかで放送されていた。ずいぶん昔に観た覚えがあるが細かいところはすっかり忘れていた。

 2月、カーニバルが目前に迫るリオの街に、従姉を訪ねてユリディスがやってくる。彼女は市電の運転手でカーニバルの有力サンバチームのリーダーでもある青年オルフェと出会う。やがて恋に落ちる二人だったが、オルフェには嫉妬深い恋人ミラがいた。そしてユリディスは謎の男に命を狙われていた・・・
 ブラジル・リオの暑い夏を舞台に、ギリシャ神話の「オルフェオとエウリディーチェ」を下敷きにして、きわめて独特の世界を創り上げた作品。全編を彩るサンバ/ボサノバの音楽はアントニオ・カルロス・ジョビンやルイス・ボンファが手がけている。

 この作品で一番疑問な点は、ユリディスを狙う謎のコスプレ男の正体はなんだったのかということに尽きる。あれだけユリディスを脅しておきながら「俺は急がない」と言って急にオルフェとユリディスを見逃したり、かと思うとミラにユリディスがセラフィナと入れ替わっていることに気づかせようと小細工をしてみたり、それでいてユリディスを狙うミラを退けたりと行動に一貫性がない。思うにこの人物は、ユリディスの「死」の擬人化であって、現実的な人物ではないと考えるべきなのだろう。この男とユリディスやオルフェの、カーニバルの喧騒の中での追走劇は非常に緊迫感のあるもので、見応えのあるシーンだ。
 さて映画はユリディスの死から途端に神話的な様相を強める。ユリディスを探して迷宮のような警察署を彷徨うオルフェは、冥界の案内人のような老人に連れられて祈祷所へ。そこでギリシャ悲劇と同じようなシチュエーションの末、あの衝撃的なラストになる。最後のエピローグ的な子供たちのシーンがまた見事だ。

 この映画はすべてリオでロケ、キャストも現地の人など無名の人ばかりだそうだ。オルフェ役のブレノ・メロはサッカー選手だったそうで、最初の方の駅のシーンで華麗な足さばきを見せてくれるが、ギターはどうやら弾けなかったようだ。ユリディス役のマルペッサ・ドーンは女優・歌手としてその後もレコードを出したり、映画に出たりもしたらしい。2008年74歳で没。
 あとは子役たちが光っている。
 当時のブラジルは貧困の国で、特にこの作品で描かれた人々はその頃の水準でも低所得層なのではないだろうか。かなり狭い、もはや掘っ立て小屋とさえ言えそうな家に着の身着のまま生活している。それでいて底抜けに明るい子供たち。今豊かな我が国に暮らす子供たちの表情はどうだろう。そう思うと、なにが幸せなのか、考えずにはいられない。
.05 2012 映画(欧州・アジア) comment0 trackback(-)

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