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ウエスト・バンク・ストーリー

West Bank Story 2005年 米
監督:アリ・サンデル
出演:Ben Newmark、Noureen DeWulf
先日WOWOWでアカデミー賞特集の一環として、過去の短編映画賞受賞作4作をまとめて放送していたものを録画して観た。
今日はその中から「ウエスト・バンク・ストーリー」を紹介する。
これはパレスチナを舞台に、アラブ系の「フムス・ハット」とユダヤ系の「コーシャー・キング」というふたつのファーストフード店の対立と、その間で愛を貫こうとするカップルを歌とダンスを交えて描いたミュージカルである。このあらすじでも分かる通り、これはもちろん「ウエスト・サイド・ストーリー」のパロディでもあり、どことなく似たようなメロディまで聴こえてくるのだが、それよりもなによりも、パレスチナで実際に憎み合って銃撃とテロの絶えないパレスチナ問題を正面からパロディにしているところがすごい。
上の写真でも見て取れるように両ショップの装飾過剰な制服の帽子とか、「コーシャー・キング」の着ぐるみ店員ミッキーとか、かなりバカバカしい部分もあるがパレスチナ問題を笑い飛ばそうとするパワーは強烈。短い映画だが登場人物がかなり多く、大規模な激しいダンスシーンやロマンティックなバルコニーのシーンもありそれぞれが「ウエストサイド」のパロディとしてもなかなかいい感じである。
とはいえパレスチナ問題をファーストフード店のライバル同士の対立に見立てたこの作品、当然ながら「問題を矮小化している」などと言われたりして大変な批判も浴びたらしいが、実際に見てみると、そんな批判は狭量もいいところだと思う。監督は対立する両者を意図的に全く平等に描いているし、今彼の地に蔓延する激しい憎しみもちょっとした突破口で和解につながるかも、という希望を示してみせているのだ。
ドバイでこの映画が上映された時、批判の声が上がったのだが、パレスチナ人の女性やガザ出身の男性がこの作品を肯定したそうだ。誰だって憎しみを求めてなどいない。映画で何が変わるわけでもないだろうが、一瞬だけでも希望を見せてくれるこの映画は、彼の地の、憎しみに苦しむ人々にこそ価値があるのだろう。
もちろんパレスチナから遠い我が国で観ても、わずか22分の作品ながら非常に楽しく、そして同時に世界について考えさせてくれる作品だ。ぜひ観てほしい。笑って観て、それからゆっくりパレスチナ問題について考えてほしい。
上の写真でも見て取れるように両ショップの装飾過剰な制服の帽子とか、「コーシャー・キング」の着ぐるみ店員ミッキーとか、かなりバカバカしい部分もあるがパレスチナ問題を笑い飛ばそうとするパワーは強烈。短い映画だが登場人物がかなり多く、大規模な激しいダンスシーンやロマンティックなバルコニーのシーンもありそれぞれが「ウエストサイド」のパロディとしてもなかなかいい感じである。
とはいえパレスチナ問題をファーストフード店のライバル同士の対立に見立てたこの作品、当然ながら「問題を矮小化している」などと言われたりして大変な批判も浴びたらしいが、実際に見てみると、そんな批判は狭量もいいところだと思う。監督は対立する両者を意図的に全く平等に描いているし、今彼の地に蔓延する激しい憎しみもちょっとした突破口で和解につながるかも、という希望を示してみせているのだ。
ドバイでこの映画が上映された時、批判の声が上がったのだが、パレスチナ人の女性やガザ出身の男性がこの作品を肯定したそうだ。誰だって憎しみを求めてなどいない。映画で何が変わるわけでもないだろうが、一瞬だけでも希望を見せてくれるこの映画は、彼の地の、憎しみに苦しむ人々にこそ価値があるのだろう。
もちろんパレスチナから遠い我が国で観ても、わずか22分の作品ながら非常に楽しく、そして同時に世界について考えさせてくれる作品だ。ぜひ観てほしい。笑って観て、それからゆっくりパレスチナ問題について考えてほしい。