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ミハイル・ショーロホフ ドン物語


 先日古本屋さんで発見した主婦の友社刊の「ノーベル文学賞全集」その第14巻はパステルナーク、ショーロホフになぜかアストゥリアスという、ロシア(ソ連)と南米のかなり強引なカップリングの一冊。
 ショーロホフは短編集「ドン物語」を収録。これは有名な大長編「静かなドン」に先立って書かれた短編集。巨大な本に辟易しながらなんとか読んだ。

 比較的短い作品12作が並んでる「ドン物語」は、そのどれもが以前読んだ短編集「人間の運命」とほぼ同じカラー。赤軍と白軍が内戦を繰り広げていたロシア革命の時代を舞台に、戦争の愚かさを描いた作品が連なっている。白軍を支持する父親と、赤軍に身を投じた息子の悲惨な再会とか、戦禍によって引き裂かれた家族や恋人たちなどの運命を淡々と描いていて、人間というものがなんと愚かなのだろうかということをつくづく考えさせられる作品であるが、正直似たようなシチュエーションと筋立ての作品が並んでいるので短編集としては面白いとは言えないが、非業の死を遂げた兄の信じた共産主義を信じて未来を見つめる妹のまなざしがすがすがしく思えるラストになる、でもよく考えるとすがすがしいで済むわけもない「牧夫」、あまりにも悲惨な幕切れに共産主義に希望を抱いてもいいのか疑問に思えてくる「仇敵」、前述「人間の運命」にも収録されていた「ふたり夫」あたりが印象に残った。

 この作品集を読むと、ショーロホフの立場は明らかにソヴィエト政府(すなわち赤軍)よりで、赤軍を正義と捉えていることがよくわかる。なのだが、赤軍が正しいからといって戦争の悲惨が正当化されるわけではない。正義がどこにあろうとも戦禍に見舞われる人々の苦しみに変わりはないのだ。というわけでソヴィエト政府がこれらの作品を賛美しようがなんだろうが、反戦文学としての価値が厳然として残るのだ。だからこそのノーベル文学賞なのだろう。

 この巻ではこの作品に先立って同じソヴィエト連邦の作家・詩人のパステルナークの作品、詩集「心晴れるとき」が収録されている。詩は全く私の守備範囲外なのでレヴューは遠慮しておくが、こちらはソヴィエト政府によって「反体制」の烙印を押された作家で、ソヴィエト当局からの圧力で受賞を辞退したのだそうだ。パステルナークとショーロホフ、この二人のソヴィエトの作家にどれだけの隔たりがあるのだろうか。
.07 2011 東欧・ロシア文学 comment0 trackback(-)

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